今週は“ストレスを発散できる映画”

男の血がたぎる映画『鉄男 THE BULLET MAN』

2010.12.01 WED


全編に大音量であふれるインダストリアル・サウンドも、あなたの神経をビリビリ揺さぶるはず (C)TETSUO THE BULLET MAN GROUP 2009
年末に向けて日に日に忙しくなるこの時期。たまりにたまったストレスを、たまにはガーッと発散したいもの。とはいえ派手に大騒ぎする時間も心の余裕もないわけで、ここはひとつ、短時間でガツンとあなたの心に効く劇薬のような映画『鉄男 THE BULLET MAN』を紹介しよう。

アンソニーは東京の外資系企業に勤めるサラリーマン。日本人の妻と3歳の息子トムと、平穏に暮らしていた。だがある日、一台の車がアンソニーの目の前でトムを轢き殺す。絶望と憤怒がアンソニーの胸の内を駆け巡るが、彼は怒りを表にあらわすことができない。物心ついたころから、科学者である父によって「決して怒りの感情を持ってはならない」と教え込まれていたのだ。だが車に乗っていた“やつ”はアンソニーを挑発し続け、悲嘆にくれる妻は彼の冷静さを罵る。ついに怒りが彼の心から漏れ出したとき、彼の肉体は鋼鉄の銃器へと変貌を始める!

そこから観客は、目くるめく映像と爆音の奔流に圧倒されるのみ。咆哮とともに全身から銃弾を炸裂させ、巨大な殺戮マシンへと膨張していくアンソニーと一緒になって、感情を爆発させる歓びに全身が打ち震えることだろう。

怒りと鬱屈のあまりに、モンスターになってしまう……それは神話の時代から、男たちにとって恐ろしくもあり、同時に憧れを抱かずにはいられない幻想だ。このアイデアを、肉体が機械と渾然一体となり破壊の限りを尽くす「鉄男」という存在に託した塚本晋也監督は、自主制作に近い限られた条件で製作したシリーズ第1作『鉄男』(1989年)で、世界的な人気を獲得した。それから20年を越えて蘇った鉄男の怒りは、ふたたび世界を焼き尽くすのか? 『鉄男 THE BULLET MAN』が提示する新たなラストは、感情を爆発させたあとのあなたが、あらためて前へ進んでいく力を与えてくれるはずだ。
(ダ・ヴィンチ編集部 関口靖彦)

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