気になる“あのコ”のシゴトーク/27

岡本奈月「あきらめないことの先に、何かが」

2011.06.09 THU


撮影:堀清英
岡本奈月ちゃんが出演する映画『見えないほどの遠くの空を』の試写会のあと、たまたま会場でご挨拶した榎本憲男監督からその日のうちにメールをいただいたので抜粋する。

「自主映画レベルの予算や私の技術不足で到達できていない部分もあるかと存じますが、もしどこか見所があると思っていただけるなら、なんとかこのような映画が生き残れる道を模索する力になっていただければと存じます」

ご本人が言うように低予算で作られた映画なのである。しかし、そのことすら演出に変えるのだ。作品の良し悪しに、必ずしも予算の大小は関係しないことを証明する好例といえそう。さて、ここからは本題。奈月ちゃんへのインタビューだ。

「でも低予算って感じはしませんでしたね。現場に機材もそろってるし、出演者の皆さんやスタッフさんも、自主映画を撮っている人ばかりでしっかりしていて、『みんな監督』という感じで頼もしくて(笑)。でも特徴的だったのがお芝居の仕方です。監督の方針で、棒読みでセリフを読んだものに肉付けをしていくんです。今って、自然なお芝居を求められることが多いんですが、新鮮ではありましたね」

物語は、大学で映研に所属する莉沙とその仲間たちで映画を撮るシーンから始まる。監督の高橋賢(森岡龍)と、作品の“意味”を巡っていさかいを起こしながら、撮影はラストシーンを残して中断する。その後、莉沙は突然の事故で死んでしまうのだ。卒業後、高橋は莉沙にそっくりな“双子の妹”を名乗る女と出会い、あろうことか莉沙の代役を願い出る。

青春映画のようだし、恋愛映画のようでもある。でも、ジャンルでくくるのは難しい作品だ。その理由は、映画中盤に起こる思いもよらない“仕掛け”があるから。それが何かはここには書けないので、ぜひ劇場でご覧いただきたい。

「観る人の年代や性別によって、いろんなとらえ方ができると思うんです。でも感じてほしいことは、『あきらめないことの先に何かがある』ということで。私は演じてみて、それを実感できました」

奈月ちゃん、映画が大好きだという。大事にすることは、とにかくまじめに向き合うこと。それが長いキャリアで見つけられたことのようだ。

「おばあちゃんが劇団出身で、小学生のころに応募してくれたんです。それからモデルやったりもしたんですが、やっぱり演技することが一番しっくり来て。小さいころなのに、風邪引いても熱を出しても撮影は休めないので、『仕事してる』って感覚は昔からありましたね。割とガッツリ(笑)」

ただ、将来はガッツリ女優だけ!というわけでもないらしい。

「やっぱりちゃんと家庭は築きたくて。20代半ばで結婚して、子供二人くらい作りたいですね。好きなタイプですか? 竹内力さんとか、ジョン・トラボルタみたいな人がいいです!」(吉州正行)

  • 岡本奈月

    1989年三重県生まれ。『ピチレモン』などのモデルを経て、女優業を本格化。最近の出演作に『ソラニン』『ヒーローショー』『ばかもの』など。普段の過ごし方については、「カフェ探して歩いたりとかしますね。最近見つけたのは、原宿の『カフェ ホホカム』ですね。あとは、夜ジョギングしたりしてます」
  • 『見えないほどの遠くの空を』

    榎本憲男初監督作品。ヒロインの死から始まる重い青春の話でありながら、物語は思わぬ方向へ進んでいく。インディペンデントの見本のような秀作。「監督にはかなり怒られて、テンパって終わりましたね(笑)。セリフにこだわった作品なので、私はその分苦労しましたが、そういうところも観てほしいです」。必見である!6月11日ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー

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