カチューシャ、ノルマも露語由来

「イクラ」は「キャビア」だった! 僕らの周りの「隠れロシア語」

2011.07.28 THU


インテリという言葉の由来は英語のインテリジェンス…ではなく、もともとはロシア語のインテリゲンツィア (Интеллигенция)の略だそう
イラスト/東京キリマンジャロ
ロシア語って、テレビや雑誌で見る機会も少なく、日本ではなじみの薄い言葉だと思っている人が多いのでは。ところが、身近な言葉のなかに、意外なロシア語が隠れているという。

「たとえば、『イクラ』という言葉はもともと『魚の卵』という意味のロシア語で、食べ物でいえばキャビアやタラコなどもイクラの一種ということになるんですよ」というのは、ロシアなどのスラブ系文学を研究している東京大学の沼野充義教授。寿司ネタでおなじみのイクラがロシア語だなんて、ちょっと意外。でもなぜ、日本では鮭の卵を特に『イクラ』と呼ぶようになったの?

「現在のような鮭の卵の食べ方が、ロシア人によって伝えられたものだからです。もともと日本では、魚卵一般のことを『はららご』と呼んでいましたが、現在のように塩漬けした鮭の卵を食べる習慣はほとんどありませんでした。一説によれば、日露戦争の際、ロシア人の出征兵士がキャビアの代用として食べているのを見たのがきっかけで、同じような食べ方が日本でも広まったといわれています」

その際に、ロシア語の『イクラ(=魚の卵)』という言葉が鮭の卵を指す言葉として定着したというわけだ。

さらに、今では元の意味と全く違う使い方をされているロシア語もある。AKB48の曲名にも使われた『カチューシャ』だ。

「日本ではヘアバンドの一種を指す言葉ですが、もとは『エカチェリーナ』という女性の愛称。現在の意味に変化したきっかけは、大正時代に大ヒットした劇『復活』に登場する『カチューシャ』という人物です。彼女が劇中でつけている髪飾りが人気となり、以後同じ形のヘアバンドを『カチューシャ』と呼ぶようになったといわれています」

時代の中で意味を変えつつ、僕らの生活に溶け込んでいるロシア語たち。遠い未来には、もっと意外なロシア語が定着しているのかもしれない。
(森石 豊/office Ti+)


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