プロ・アマの雪融け進む

高校球界に静かな異変!「元プロ野球」監督が増加中

2011.08.04 THU


熱心に指導する伊達さん。高校の場合、監督は教員でなくても就任できるが、元プロの場合、現在の条件では教員であることが結果的に必須
画像提供/毎日新聞社/AFLO
夏の日本の風物詩である高校野球に、ある変化が起きているのをご存じだろうか。実は近年、以前はほとんど見かけなかった元プロ野球選手の指導者が増えているのだ。この傾向、日本の野球界にとって大きな革新。というのも、長年の間、プロとアマの間には「壁」があり、自由に交流しにくい事情があったのだ。それは「教育」を第一と考える高校・大学などのアマチュア野球と、「興行」「商業」が前面に出るプロ野球との間に一線が引かれていたから。それゆえ元プロ野球選手が高校などアマチュア野球の指導者になるのは非常に困難で、なりたい場合は一定の条件をクリアする必要があった。それが近年、条件緩和が進んでいるのである。

ただ、この条件緩和には25年以上の年月が必要だった。かつては全面的に禁じられていた元プロ野球選手の高校球界への指導者就任が解禁に向かったのは1984年。この年、「10年間、教諭として高校に勤務し、適性審査に合格すれば」指導者になれると認められた。とはいえ10年は長い。その間、野球部の指導には一切携わることはできないのだ。仮に30歳で引退した選手が、あらためて教員免許を取得し、運良くすぐに高校教師の職を得たとしても、野球部の指導にかかわることができるのは40代も半ばである。

それが1994年には勤務5年、1997年には勤務2年に短縮。そして今年2月には臨時講師や大学専任教員としての勤務期間も認められるようになった。その新基準適用者として今夏、元阪神の投手・伊達昌司さんが、都立江戸川高校の副部長として夏の東東京大会に参加した。

だが、よくよく考えればトップレベルの競技経験者が、正しい知識や多彩な経験を将来ある選手に伝えるのは有意義なこと。選手側も、元プロ選手に教えを受けられるのはうれしい話のはず。今後もさらなる「雪解け」に期待したいところだ。
(田沢健一郎)


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