「デパ地下」人気の次は屋上!

足湯に神社、貸農園…。進化する「デパ屋」

2011.10.04 TUE


近年、デパートの屋上を緑化したり、リラクゼーション設備を増強し“憩いのスペース”として開放する動きが全国的に広がっている。折しも秋風が心地よいこれからの季節、都会の喧騒から一時離れ、屋上に癒しを求めるのもいいかもしれない。

九州新幹線の開業に合わせJR博多駅にオープンした「アミュプラザ博多」は、屋上スペースを「つばめの杜ひろば」として開放。四季折々の木々が囲む敷地内に、新幹線の出入りを見下ろす展望スペースや、旅の安全を祈願する鉄道神社などを設けた。神社の参道には飲食店や土産物屋が並び仲見世の雰囲気だ。広場ではイベントやコンサートも開かれるという。

売り場のリニューアルに合わせ、屋上を再整備するケースも多い。昨年9月に増床オープンした「銀座三越」は、9階フロアの約3000平方メートルを使い、公共スペース「銀座テラス」をオープン。屋外部分には芝生広場が設けられ、寝そべったり座ったりしてくつろぐことができる。デパ地下で購入したお弁当やサンドウィッチを持ち込めばピクニック気分。銀座4丁目という都心の上空であることを忘れさせる空間だ。

また、東京都大田区の「ダイシン百貨店」では2012年夏の全館リニューアルにさきがけ、屋上に足湯設備とカフェ、貸農園をオープンした。足湯はカフェでワンドリンクをオーダーすれば利用可能。眼下の庭園を眺めながら、ジェットバスで足の疲れを癒すことができる。今年の夏は屋上に人工のビーチとプールも出現し、大勢の家族連れが訪れた。今後も屋上を使ったイベントを積極的に仕掛けていく予定だという。

快適さを増すデパートの屋上。静かな環境のなか、羽を休めるサラリーマンの姿も多い。昼休みをいつも屋上で過ごすという男性は「デパートの屋上は都心とは思えないほど静か。意外と人も少ないからリラックスできる。喫茶店と違い、上司や取引先と鉢合わせすることもないので息抜きによく利用します」という。

かつてデパートの屋上には遊戯施設があり、子供たちの元気な声が響いていた。だが、少子化やレジャー施設の多様化により、屋上の風景も様変わりしているようだ。
(榎並紀行)

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