美味しいお酒に出会いたい/第3回

そろそろ贔屓(ひいき)の日本酒を見つけたい

2011.12.01 THU


「日本酒は白ワインと同じ感覚でイタリアンなどに合わせても面白いかもしれません。でもせっかく日本酒を楽しむのであれば、そこは醸造された地方の郷土料理がオススメですね」(城山さん)
鍋をつつきながら、日本酒をきゅっと一杯。誰しもちょっとあこがれる冬の光景ではないでしょうか? 日本に住んでいる身としては一生つきあえるような、贔屓(ひいき)の日本酒を探してみたいところ。でも本醸造だとか吟醸だとか専門用語めいた言葉を前に、あたりすらつけられず…。日本酒選びの基本を教えてください!

「それには二つのポイントがあります。一つは原料。日本酒はそもそも米と麹を原料として造る酒なのはご存じですよね? そのためややこしく感じると思いますが、原料に醸造アルコールを添加したものが『本醸造』になります。対して(規格内の)米、麹、そして仕込みの水のみで造られたものを『純米酒』といいます」(BAR NOKKTON城山恵さん)

添加、なんて聞くと本醸造がその分劣るイメージを受けますが…。

「いえ、アルコール添加は蔵元の技量を表す創意工夫であるといえます。純米酒は蔵元の個性が強く出て、どちらかというと甘めで濃厚なのですが、そこに醸造アルコールを添加することですっきりとした淡麗辛口の味わいになるんですよ」

本醸造、と認められるにもアルコール添加量などに規定があり、その規定を外れると普通酒という扱いになるのだとか。調べてみると安価な燗酒などに多いですね、これ。ではもう一つのポイントとは?

「それは“お米の削り度合い”です。米は外側にうま味成分が多いのですが、これは雑味のもとにもなります。精米によって削るほど透き通った味になり、またフルーティーな香りが立ちます。お米を40%以上削って造ると吟醸、50%以上削って造ると大吟醸になります。米を贅沢に使う分、値段も高くなりますね」

ははあ。原料の違いと米の削り度合いの違いという二つ指標があるから、純米、純米吟醸、吟醸などがあってややこしかったんですね(通常、アルコール添加をした場合は単に吟醸と表記される)。

あれ、そういえばボトルや居酒屋のメニューで「日本酒度」という表示もありますよね? あれはなにを表しているの?

「日本酒度では甘口、辛口の傾向がわかります。+の度合が高いほど辛口、-の度合いが高いほど甘口といえますが、日本酒の味わいには他の要素がたくさん絡むので、あくまで目安程度に考えた方がいいかもしれません」

前々から、-3とかの表示が謎だったのですが、やっとわかりました。では最後に初心者へのオススメを聞かせてください。

「初心者の方でしたら、さっぱりしていてフルーティーな『吟醸酒』から選んではいかがでしょうか。なかでも淡麗辛口のものをオススメします」

日本酒は○○ならばこんな味、単純に言い切るのは難しい酒とのこと。そんななか、もう一ついただいた日本酒選びのキーワードが「地元の酒」。慣れ親しんだ水、気候風土で造られた酒のなじみ具合は試してみる価値があるという。

うん。「贔屓の酒は地元の酒」、なんて言えたら、ちょっとかっこいいかもね!

(宇都宮 雅之)

取材協力・関連リンク

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト