借り手側に原状回復の義務なし!の新トレンド

改造OK!「賃貸カスタマイズ」増加

2012.02.02 THU


木村さんが暮らす元・町工場の賃貸物件。自慢は土間の上に板を張って作ったステージだ。基礎のみプロにお願いし、大半は自ら仕上げたとか 画像提供/木村吉見
お洒落なデザイナーズマンションを借りる余裕はないけど、少しでも個性的な部屋に住みたい。そんな人に耳よりの新潮流が賃貸住宅市場に生まれつつある。それが「賃貸カスタマイズ」だ。一般的な賃貸住宅の場合、退去時に「原状回復義務」を借主は負うため、壁に釘1本打つのも気を遣う。ところが最近は「改造OK」をうたい、原状回復を求めないケースが増えているようだ。

3年前、都内の元・町工場を家賃10万5000円で借りた木村吉見さんもそんな「賃貸カスタマイズ」を行ったひとり。金属加工の機械が置かれていた1階部分を改造し、アートイベントやライブなどを行うお手製のステージを作り上げた。「他にも、壁を塗り直したり、バールで壁をぶち抜いて間取りを変えたり、キッチンもリニューアルしました。けっこうやりたい放題やらせてもらいましたね」。

築40年の戸建てを借りたYさん夫婦も、和室の畳をフローリングに替え、壁、柱を塗り直して洋室に改造。やり方はネットで調べ、安い材料で費用を抑えたとか。

ちなみに、どちらのケースも入居前の話し合いにより改造したい箇所を契約書にすべて盛り込んでおり、これほどの大改造にもかかわらず原状回復義務はない。

こうした物件が登場している背景についてSUUMO編集長の池本洋一氏は「都市部でも空室率が上昇するなか、物件オーナーや管理会社は、新たな入居者を獲得するため様々な対策を講じています。リフォームや初期費用を抑えるといった対策に加え、新たな付加価値として『改造OK』を売りにすることが狙いなんです」と語る。

最近では伊藤忠都市開発が手がける「アルティス西ヶ原パークヒルズ」が、壁紙やタイルカーペットを入居者が選択できるカスタマイズプランを設けるなど、大手デベロッパーも関心を寄せる「賃貸カスタマイズ」。転居の際には、覚えておきたいキーワードだ。
(榎並紀行)


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