隠れ家レストランだけじゃない!

パンに紅茶…「完全紹介制」のワケ

2012.06.21 THU


(右上)recetteの和菓子パン「@japan」(7600円/送料別)。(左上)hoho-teaの高級茶葉。(下)誠不動産の店内
(右上)提供/recette(左上)提供/hoho-tea(下)撮影/チャニ・キム
一人でも多くの客を集めるべく、熾烈な競争が繰り広げられる飲食業界。その一方で、あえて顧客を限定する“完全紹介制”の店もある。たとえば、脚本家の小山薫堂氏がプロデュースする「タワシタ」。東京タワーの足元にあるフレンチレストランだが、同店の電話番号は非公開。看板も出しておらず、予約には誰かの紹介が必要だ。

ほかにも、夜間営業のみ完全紹介制の懐石料理店「八雲茶寮」(都立大学)、麻布十番の焼き鳥屋「世良田」など。銀座にある高級懐石料理店「壬生」に至っては、紹介ができる人さえも限られるという。

あまりに閉鎖的にも思えるが、こうした店はなぜ“完全紹介制”をとるのだろうか?

「飲食店の紹介制には、2パターンあります。1つは、クローズドであること自体が顧客への価値となっている店。政治家や芸能人、一部の富裕層が集まれば、上質なサロンができあがる。顧客にとっては安心感に加え、望ましい人脈の獲得にもつながります」(飲食コンサルタントの子安大輔さん)

もう1つは、興味喚起のネタとして紹介制を謳うパターンだ。

「こちらは『隠れ家』的な雰囲気でプレミア感を出し、顧客の欲望をかきたてるのが目的です」

“完全紹介制”をとる店は、最高級パン専門店「recette」(一部商品)など、他の業態でも少なくない。最近では、オーナーが「自分の目の届く範囲で、よいサービスを届けたい」と導入するケースも。芦屋の紅茶専門店「hoho‐tea」や恵比寿の「誠不動産」などがその例だ。誠不動産の鈴木誠さんは「初めからお客様と信頼し合えるため、満足度も高まる」と話す。

規模拡大を目指すなら、“完全紹介制”は不利。だが、様々な商品が手軽に手に入る今だからこそ、「限定して提供する」ことが高い価値となる。今後もこういったサービスは増え続けていくのかもしれない。
(有馬ゆえ+ノオト)


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