時間帯別料金、ネガワット取引…

新しい節電方法デマンドレスポンス

2012.07.18 WED


電力会社は安定供給のため、ピーク時の電力量×1.05倍の電力を常に用意する必要がある。ピーク時電力が下がれば供給量を減らすことができる
図版/藤田としお
電気使用量が大幅アップする夏を迎え、「デマンドレスポンス」なる節電方法が注目されている。その仕組みを『スマートグリッド「プランB」』『節電社会のつくり方』の著者、加藤敏春さんに伺った。

「『デマンドレスポンス』とは、電力の供給力に応じて、需要を調整するための仕組み。需給がひっ迫しそうなタイミングを乗り切るべく、インセンティブを提示して利用者に節電を促します。日本ではいま、電力会社が原発停止による電力不足をLNG(天然ガス)火力の発電で補っていますが、燃料調達コストが収益を圧迫。その観点でも、デマンドレスポンスの導入が必要とされているのです」

具体的にはどうやって需要を抑えるのでしょう?

「方法は主に2つあります。1つは、時間帯や日によって電気料金を変えるもの。たとえば、13~16時など電力がひっ迫しがちな時間帯の料金を高く、深夜など供給余力のある時間帯を安くすることで、需要を分散させるのです。利用者は、料金の高い時間帯には電気の使用を控え、安い時間帯に使うようにすれば、電気代を節約できます」

もう1つの方法は、ニュースでもよく聞く「ネガワット取引」だ。

「ネガワット取引とは、単純にいえば、電力会社が企業などの節電した電力量(ネガワット)を買い取ること。電力会社は天気予報などをもとに、ピーク時電力が不足しそうな日を予測し、あらかじめ節電量を設定します。協力する企業は、1kWあたりいくらで何kW節電するかを提示。電力会社は、設定した量に達するまで、安い順に買い取っていきます。なお、節電が達成できなかった企業には、ペナルティが課されることもあります」

日本では現在、電気使用量を計測する“デマンド装置”の設置された大口企業のみが対象。一般家庭にまで普及するのはまだ先になりそうだが、もし導入されれば日本の電力事情は大きく変わっていくだろう。
(有馬ゆえ+ノオト)


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