素潜りギネス記録保持者・二木あいさんに聞く

海を100%満喫! 素潜りの魅力

2012.08.02 THU


写真は、2011年に2つのギネス記録を樹立したセノーテの洞窟で泳ぐ二木あい。このときの映像は、YouTubeにもアップされている(「Ai Futaki」で検索してみよう)。ただ、記録はあくまでおまけみたいなもので、彼女のライフワークは「水中表現家」。あるときは映像作家、またあるときは水中写真の被写体やパフォーマーとして、フリーダイビングや海の魅力を表現する http://ai-futaki.com/
写真提供/Aaron Wong
夏といえば海。だけど、ビーチに出かけるだけで、はたして海を満喫したといえるのか? 突然こんなことを考えたのは、ある一本の動画を観たからだ。2011年にメキシコ・セノーテの洞窟で撮られたその映像には、日本人の“水中表現家”二木あいさんが、洞窟の中を息継ぎなしで泳ぎ、ギネス記録を樹立した様子が収められている。フィン(足ひれ)なしで90mの距離は世界初、フィンありで100mは世界女性初となる記録だそうだが、なによりその泳ぐ姿が水棲動物のように美しい。ほかの写真を観ても、あるときは魚とたわむれ、サメと対面し、流氷の下に静止する。どうすれば、人はあれほど自由自在に泳げるのか。二木さん本人にうかがった。

「私は水中で静止した状態なら6分くらい、泳ぎ回って酸素を使う場合だと、だいたい2分間息を止めていられます。でも、これって実は、そんなに難しいことじゃない。2日間くらいトレーニングを受ければ、誰でも2分程度の素潜りはできるようになります」

反射的に、「誰でもは無理でしょ」と思ってしまった。けれど、二木さんいわく、素潜りでカギとなるのは体を鍛えて肺活量を増やすことではなく、「できない」という思い込みをいかに解くか、なのだとか。

「海やプールで大きく息を吸いこんで潜ったら、ぜんぜん潜れずバタバタしちゃって、すぐに苦しくなってしまったことってありません?あれは、肺に空気を入れすぎて、体が沈まないから。怖がらずにブルルルルって空気を吐き出しても、絶対に吐ききれない空気は残ります。5mくらいの素潜りならそれで十分だし、むしろ余分な空気がない方が水の中を自由に泳げますよ」

スキューバだと驚いて逃げてしまう魚も、フリーダイビングで近づくと、触れられる距離で寄り添えるそうだ。人が海に入るために必要なものは、僕らが思い込んでいるよりも、ずっと少ないのかもしれない。
(宇野浩志)


関連キーワード

注目記事ピックアップ

 

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト