ポリマー注入、貼るピル…新技術も登場

世界の最新「避妊法」事情

2013.01.17 THU


パイプカットは将来的に子供を授かることが不可能なため「いつかは子供が欲しい」と考える男性の避妊方法としてはコンドームしかないのが現状だ イラスト/坂本綾子
避妊具といえば「コンドーム」―日本男児の“常識”だろう。しかしこの常識、実は世界では常識ではない。日本ではコンドームを利用する割合が高いが、ドイツやフランスではピルが主流だし、韓国ではIUD(避妊用リング)が主流になっている。そのほかにも海外で続々登場しているという避妊法について、飯田橋中村クリニックの中村剛院長に聞いてみた。

「たとえば『プロントコンドーム』は、たった1秒で装着できるスグレモノのコンドーム。半分に割ったパッケージをあてがい、引き下ろすだけで装着が可能です」

すでに南アフリカを中心に、従来品と同等の価格で市販されている。

コンドーム以外の男性避妊法として注目されているのが、精子の受精能力を奪う注射「RISUG」。インドの技術者により研究されている避妊技術で、精子を壊すゲル状のポリマーを精管に注入するもの。1回注射をすれば効果は10年ほど続くという。ほかにも、昨年9月に米ベイラー医科大が発見した化合物「JQ1」には、精子の形成を抑制するなどの働きがあることが判明。男性用ピルの市販化に向けてその効果が期待されている。男性側ができる避妊法の開発は様々な分野で注目されているようだ。

一方、女性側に負担をお願いする手法でも新技術が登場している。たとえば「貼るピル」とも呼ばれる「オーソエブラ」は皮膚に貼るホルモン剤。腕やお腹などに週1回小さなパッチを貼るだけで避妊効果があるという。また、「ニュバリング」という膣内に挿入するプラスチック製のリングは、リングに含まれる女性ホルモンの影響で避妊効果をもたらすという。

今後は多様な避妊法が広がりそう…と思いきや、中村院長によれば「厚生労働省の基準は厳しく、新たな避妊法が認可されるまでには実用化から10年くらいはかかるでしょう」とのこと。手軽で確実な新技術が日本にもはやく導入されるといいんですけどね。
(有栖川匠)


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