生々しい映像による臨場感が魅力?

YouTube的な映画がブーム

2013.08.14 WED


映画『エンド・オブ・ウォッチ』(8月17日、丸の内TOEIほか全国公開) L.A.の重犯罪多発地区を舞台に、死と隣り合わせの日常を送る警官たちのリアルを描いた作品。デジカメによる撮影が臨場感を演出している (C)2012 SOLE PRODUCTIONS, LLC AND HEDGE FUND FILM PARTNERS, LLC ALL RIGHTS RESERVED
デジカメやスマホの進化によって、「映像を撮る」ことが身近になった昨今。今やスマホのカメラ機能でフルHD動画が撮れてしまうし、市販のデジカメにはビデオカメラ並みのムービー撮影機能がある。そしてYouTubeを開けば、世界中のユーザーによって撮影された動画がいくらでも見られる。素人っぽい映像だからこそ、生々しい臨場感があって引き込まれる作品も多いのだ。

そんな風潮は、プロの世界にも影響を与えている。全米で大ヒットした映画『クロニクル』(9/27日本公開)は、作中の登場人物が自らカメラを回して撮影した“記録映像”という設定が高く評価され、アメリカで社会現象を巻き起こした。さらに、ロサンゼルス市警の活躍を追ったドキュメンタリータッチの映画『エンド・オブ・ウォッチ』(8/17日本公開)では、監督のデヴィッド・エアー氏自身が「まるでYouTubeを見ているような作品にしたかった」と語っており、撮影にはデジカメが使用されている。

「デジカメの進化とYouTubeの普及は、映像の世界における一大革命でした。スマホで撮った動画をアプリで編集するだけで、誰でも作品が作れてしまう。プロの映画監督や映像作家のなかにも市販のデジカメを使う人は増えています。演出効果として使うこともありますが、それより単純に機材として“安くて軽い”という実質的なメリットが大きいんですよ」

と語るのは、『ペルソナ』などの作品で知られる映画監督の樫原辰郎氏だ。確かに、本年度のアカデミー賞受賞作『シュガーマン 奇跡に愛された男』は、完成直前で撮影資金が不足したために、一部のシーンがiPhoneで撮影・編集されているとか。

「従来の撮影用機材は大きく重くてフィルム代も高いため、撮影には大掛かりな準備と費用が必要でした。しかし、個人のデジカメやスマホが鑑賞に耐える画質になったことで、本格的な撮影が劇的に手軽になったんです。現場で何台ものカメラを動かすこともできるし、従来のカメラでは不可能だったポジションでも撮れる。例えば極端なローアングルを狙う場合、これまでは地面に穴を掘ってカメラマンが穴に入っていましたが、小さなデジカメなら地面ギリギリに置くだけで狙った構図で撮れてしまう。費用や機会をはじめ、あらゆる面で撮影の自由度が飛躍的に高まりました」

準備の手間とコストが下がることで、面白い映像を撮れるチャンスが広がるわけか。それじゃ僕らがスマホで動画を撮るとき、上手に撮るコツってあるの?

「映像のクオリティを上げたいなら、小さなものでいいから三脚を用意すること。手持ち撮影は映像がブレやすいので、三脚を立ててスマホを安定させると本格的な絵になります。それと屋内では照明器具もあるとベスト。白っぽい下敷きや、100均ショップにあるようなプラスティックのまな板はレフ板として使えます。光を反射させて、撮りたいモノを照らすだけでOK。やってみると全然違いますよ」

YouTubeでのヒット作品を目指して、愛用のスマホで一本撮ってみようかな?
(呉 琢磨)

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