気になる“あのコ”のシゴトーク/137

大谷澪が大胆映画に主演した理由

2013.08.30 FRI


撮影:堀清英
「台本を読んで、作品に魅力を感じたんです。過激なシーンがあることは知っていましたけど、主演してみたいという一心でオーディションを受けました」

かくして映画『ジェリーフィッシュ』に主人公の宮下夕紀役として主演が決まったのが、大谷澪ちゃんだ。女の子同士の禁断の恋を描いたラブストーリーである。

「もともと同性愛に偏見はなかったんですが、演じてみて価値観は変わりましたね。たとえば手をつないだりとか、女性同士って男性同士よりも距離感が近いじゃないですか。だからもっと“ライト”でごく普通のことなのかなって」

とはいえ夕紀は「女性しか愛せない」というわけではない。彼氏がいるどこにでもいそうな女子高生だ。ただ、次の恋愛の相手が同性の同級生だったというだけ。同性愛が作品のテーマではあるが、日常を彩るスパイスに過ぎない。

「すごく“普通”なんだけど、静かで深い感性の持ち主という、演じたことがないキャラクターでした。それを日常というありふれた場所で演じることはとても難しかったんですが、金子監督は『好きにやれ』ということで…。私の不安感は演技にも投影されていると思います」

金子修介監督の狙いか、その不安感は思春期ならではの揺れ動く心を浮き彫りにするのに一役買ったようだ。そして澪ちゃん、自分との共通点が少ない役そのものを演じることに不安はあっても、大胆なシーンへの抵抗はまったくなかったのだとか。

「むしろ前から一度やってみたかったくらいで。こんなチャンスを20歳でいただけることに運命を感じたんです。濡れ場は、あくまで表現のひとつ。だから『すごい』と言われることにもピンと来ないくらいで」

それだけに、何か壁を越えたとか、やり遂げたという感触もない。ただ、女優として着実に歩を進めていることは間違いないだろう。

「自分のイメージを破っていきたいんです。もともとグラビアアイドルとしてデビューしたんですが、ここ数年はしばらく水着にもなっていないんですよ。でもいまだにグラビアアイドルっていわれることがあるのは正直悔しいし、映画の主演をしたことをご存じない方も多いので。だから女優として、もっと活躍することが今の目標です!」
(吉州正行)

  • 大谷澪

    1992年大阪府生まれ。講談社ミスマガジン2008審査員特別賞。ちなみに“オタク属性あり”なんだとか。「めっちゃインドアでアニメが好きですね。特に“日常系”が好きで、『僕は友達が少ない』とかにハマってるんですが、実は来春公開の実写版に“星奈”として出演が決まったんです!」と大谷さん
  • 『ジェリー・フィッシュ』

    R18文学賞の映画化第2弾。大谷澪ちゃんと花井瑠美ちゃんのW主演で、女の子同士のはかなくも美しい“恋”を巧みに描く。「印象に残っているのは、叶子(花井瑠美)の彼氏とぶつかるシーン。誰にも理解されない苦しさを長回しで撮ったのが思い出深かったですね」と澪ちゃん。8月31日(土)シネマート六本木ほか全国順次公開

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