気になる“あのコ”のシゴトーク/140

池脇千鶴、あまりの凶悪さに絶句!

2013.09.20 FRI


撮影:林和也 トップス:1万3650円、スカート:3万8850円/共にLANVIN en Bleu(ラメール…
映画『凶悪』は、実際に日本で起きた連続殺人事件をもとにした、身も凍るドキュメンタリー的作品である。なかでも、リリー・フランキー演じる先生こと木村と、ピエール瀧演じるヤクザ・須藤の“凶悪”ぶりには目を覆いたくなるほどだ。

「どんな怖い作品になっているのか、逆に楽しみでした。恐ろしくて決して親には勧められないような仕上がりでしたね」

主婦、藤井洋子役で出演する池脇千鶴さん。本作は、その夫である山田孝之演じる主人公の週刊誌記者・藤井修一が、一連の非道な行いをジャーナリズムによって白日の下にさらけ出すという一見痛快なストーリーである。が、実際にそんな描かれ方はしない。

「私は、すべてが苦しい役なんです。家で認知症のお母さんとふたりきり。仕事に明け暮れる“修ちゃん”がやっと帰ってきても、『疲れてるから』と無視される。不幸で苦しくて、何もよりどころがないんです。抱えきれなくなったストレスから(母親に)暴力を振るうシーンも撮ったんですが、さすがに監督は『救いがなさ過ぎるから』という理由でカットしたとおっしゃっていました」

人の罪を暴くジャーナリズムは必ずしも正義ではない。むしろ、それを振りかざすことによって、身近な誰かを不幸に追いやったり、その人を非道に走らせることすらある。洋子の存在は主人公をヒロイックな存在にしない重石であるのと同時に、日常に潜む“人間の凶悪さ”の暗喩でもあるのだ。

「私の立場は、観客に一番近いんですよね。ニュースのなかのような一種かけ離れた世界と、家庭という小さな世界を結びつけて考えてもらうための立場だと思うんです。私の撮影期間は2日程度だったんですが、それはすごく苦しい作業でした」

というのも、池脇さんの役柄に対する向き合い方がそうさせるのだとか。

「役を掘り下げるとか成りきる…というのとは違うんですが、何をしているときにも役のことを考えてしまうんです。だから台本をいただいてからクランクインするまでの1カ月が、とにかくつらい期間でしたね。忘れようにも忘れられなくて…」

それだけに、スクリーンのなかの池脇さんの演技は鬼気迫るものがある。冒頭のリリーさんや瀧さんもすさまじいが、それとは違うすごみに圧倒されるハズ。

「『思ったようにやっていい』と監督におっしゃっていただけたので、今回はかなり自由にできました。私を認めてくださっているんだという安心感があるので、すごく光栄でしたね。といっても、やっぱり役柄上、かなり苦しい現場だったんですが(笑)」
(吉州正行)

  • 池脇千鶴

    1981年大阪府生まれ。97年8代目三井のリハウスガールに選ばれ、99年「大阪物語」で映画デビュー。ドラマや映画で大活躍中。ちなみにオフのときは「家でネコとごろごろしていることが日常ですね。昼に再放送のサスペンスを見ながら。あとは最近iPodを買ったので、方言テープをどこでも自由に聴けるのが楽しいと感じています」とかなりスローな日常のご様子
  • 『凶悪』

    ジャーナリストの藤井(山田孝之)のもとに届いた、一通の手紙。それは須藤(ピエール瀧)と名乗る死刑囚が、かつて組んで仕事をしていた木村(リリー・フランキー)が犯した数多くの殺人を告発する内容だった。人間の凶悪さともろさを浮き彫りにする、白眉の社会派映画。「非常に恐ろしい作品ですが、台本を読んだときにぜひやりたいと思ったほどのすごい映画です」と池脇さん。9月21日(土)新宿ピカデリーほか全国公開

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