気になる“あのコ”のシゴトーク/148

木村文乃を成長させた“つまづき”

2013.11.15 FRI


撮影:堀清英
映画『すべては君に逢えたから』はクリスマスを舞台に、男女6組の奇跡を描いた物語だ。木村文乃さんが演じるのはその1エピソードで、遠距離恋愛の難しさに悩む女性、雪奈。最愛の拓実に会いたくて、東北まで押しかけてしまう思い切りのいい性格の持ち主である。

「私も気持ちはわかります。会いたかったら会いに行っちゃいますもん。でも事前に匂わせるくらいのことはしておきますね。逆の立場だったら、会いに来てくれたらうれしいと思うタイプです」

反面、拓実は不器用で寡黙。仕事を優先するあまり、やがて二人のあいだにすれ違いが生まれる。拓実を演じる東出昌大さんとは初共演だったというが、彼氏の煮え切らない態度にやきもきする彼女…という“いかにも”で絶妙な距離感は本物の恋人のようだ。

「壁を感じることがなくて、教室入ってきて『おはよう』みたいな気軽さでした。同い年というのもあったのかもしれません。撮影中で思い出に残っているのはイブの東京駅のシーン。真夏の深夜、ロータリーにクリスマスツリーを立てて大急ぎで撮ったんです。無我夢中で演じたので汗をかくのも忘れたほどで…。最後にアドリブで『メリークリスマス』って言ったんですけど、すっかりクリスマス気分だったのか、すんなりと出てきました」

と、こんなことばかり書くと本作を恋にフォーカスしたラブストーリーだと思われるかもしれないが、実はそればかりではない。恋愛にとどまらず、親子や仕事に対してなど、様々な“愛”の形が描かれているのだ。

「仕事をしている方なら、玉木(宏)さん演じるIT社長の黒山和樹や、雪奈の姿にきっと共感していただけると思います」

また、つまずきながらも前を向く雪奈に、木村さんは自分の姿を重ねたとか。

「私の場合は事務所が変わったとき。チーフマネージャーが、落ち込んでいる過程も大事だって言ってくれて。失敗して落ち込んでも、その先に行くために必要なことだって思えるようになりました」

そのときをきっかけに、仕事に対する向き合い方も大きく変わったのだとか。

「『もっと上に行かなきゃ』って上昇志向が強くなりましたね。それでも、仕事が好きかと問われたら、実はわからないんです。自分の人生だけで手一杯なのに、女優は他の人の人生を生きなきゃいけない仕事ですから。それでも、作品に共感して、その一部になりたいという気持ちは、常に持って望んでいます」
(吉州正行)

  • 木村文乃

    1987年東京都生まれ。2005年、映画『アダン』のヒロイン・アダン役でデビュー。以後、多くのドラマや映画、CMに出演。11月18日(月)に『時計屋の娘』(TBS系列)、11月29日(金)に『長谷川町子物語~サザエさんが生まれた日~』(フジテレビ系列)に出演。来年には映画「小さいおうち」「ニシノユキヒコの恋と冒険」が待機中。またファースト写真集「ふみの」が好評発売中
  • 『すべては君に逢えたから』

    6人の男女の思いが交錯する、クリスマスの奇跡。様々な“愛”が描かれた、クリスマスにピッタリの映画だ。「行動することが、大なり小なりの奇跡といった“結果”につながることが描かれているんです。観ていただければ、大切な人に会いたくなると思います」と木村さん。11月22日(金)全国ロードショー

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