火付け役の写真家・青山裕企がブームの背景を解説

書棚賑わす「フェチ写真集」の誘惑

2013.12.05 THU


『スクールガール・コンプレックス-女子校-SCHOOLGIRL COMPLEX 3』 (青山裕企/イースト・プレス) “女子校”をテーマにしたシリーズ最新作。「今は女子同士の“関係性”に興味が移ってきた。女の子ってすぐに仲良くなるけど、その裏側に怖さもあるんですよ」(青山さん)
「フェチ系写真集」が、ここ数年、書店の棚を賑わせている。これらは、無名モデルを起用し、女体のパーツや特定のシチュエーションを徹底的に追求した所が特徴だ。扱われる“フェチ”が極めてニッチで、アートなのかエロスなのか解釈困難な作品が増えている。

「もともと極めて個人的な嗜好であるフェティシズムが、ネットの普及などによってオープン化され、人前で語りやすくなったことが背景にあります。以前は『胸』や『脚』といった大づかみな分類だったのが、二次元の表現とも融合し、ジャンルがどんどん細分化されているんです。フェチ系写真集が急増した理由のひとつは、“語りたくなるフェチ”の領域が広がったからでしょうね」

とは、ブームの先駆けとなった制服女子へのフェティッシュを表現した写真集『スクールガール・コンプレックス』の著者・青山裕企さんだ。

「ただ、それゆえに“企画ありき”の作品が量産されている傾向もあります。フェチというよりシュールな主題や、際どいエロスを扱ったものも多い。僕自身は、フェティシズムは日常の延長にあるという信念があって、いかに自然なシチュエーションのなかで印象的な一瞬を切り取れるかが重要だと考えています。あからさまなエロスを増やすとフェチが薄れるんですよ(笑)」

また、無名のモデルで成立する=制作費が安く上がるため、出版しやすいという制作者側の事情もあるようだ。

「僕の作品でいうと、被写体の顔を撮らないことで、記号化された“女子校生”という存在を心ゆくまで凝視したいという思いが出発点。クラスメイトの女子の顔をまっすぐ見られなかった青春時代に抱えていた憧れと妄想が、そのまま反映されています」

ニッチが許容される現代だからこそ、バラエティ豊かなフェチを謳歌できる。我々は、実に恵まれた時代を生きているのかも?
(呉 琢磨)


  • 『むちり』 (岡戸雅樹/扶桑社)

    “思わずつかみたくなる”ほど肉付きのよい女子の量感にフィーチャーした作品。「触感という切り口が、フェチから一歩戻って、普遍的なニーズに応えていると思います」(同)
  • 『水中ニーソ』 (古賀 学/ポット出版)

    ニーソックス着用の女子+水中撮影による不思議な世界。「見たことがない写真という面白さと、息苦しそうな女性を見たいというサディスティックさを感じます」(同)
  • 『絶対空域女子』 (岡戸雅樹/ミリオン出版)

    女子の股下に生じるデルタ地帯の“隙間”を捉えた写真集。「テーマとしては非常に性的ですが、制服という日常性と組み合わせることで作品を成立させています」(同)
  • 『うたたね女子。』 (鈴木 武/双葉社)

    うっかり眠ってしまった女性の自然体を写した作品。「寝ている女子の無防備な姿って、彼女でもなければ普通は見られない。それを好きなだけ眺められるのは幸せですね」(同)

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