『トワイライト ささらさや』『神様のカルテ』etc…

深川監督“泣かせる”映画の源泉

2014.10.16 THU


深川栄洋(ふかがわ・よしひろ)/映画監督。1976年、千葉県生まれ。東京ビジュアルアーツの卒業制作『全力ボンバイエ!』で注目を集める。その後も、『60歳のラブレター』『神様のカルテ』『くじけないで』など、泣ける作品を多数発表
11月公開の『トワイライト ささらさや』は、夫婦役の大泉 洋と新垣結衣を中心に巻き起こる人間模様を描いている。人間の優しい絆に、思わず涙してしまう作品だ。「この秋、一番泣ける感動作」と評される映画を作った深川栄洋監督自身も、やはり涙もろいのだろうか。

「実際よく泣きますよ。ただし、こっそりと。人前で泣く男はちょっと信用できないですね(笑)。涙は効果を狙って流すものじゃない。両親と一緒に『おしん』を見ていた時も、泣くのが恥ずかしくてトイレに駆け込んでましたから(笑)」

ちなみに、「人生で一番の大泣き体験は?」と聞くと、祖父が亡くなった時だという。「たしか、僕が小四ぐらいでしたが、初めて人間の死というものに直面したんです。祖父とは生前もそんなに多くの言葉を交わしたわけじゃないけれど、亡きがらを布団から棺に移してみんなで持ち上げた瞬間、自分でもびっくりするほど大量の涙があふれてきて。人間のぬくもりがなくなったことがショックだったんでしょうか。予期しない時に涙があふれて止まらないという体験は、後にも先にもあれだけですね」

高校を卒業後、親に相談もしないで家を飛び出した深川監督。20代のころまでは郷里を顧みなかったそうだが、30代になって家族というものについて、よく考えるようになった。こうした変化は作品づくりにも大きな影響を及ぼしている。

「親子にしても兄弟にしても夫婦にしても、家族って人間が暮らすうえで一番小さい単位じゃないですか。でも、誰もが関係するものですよね。個人的には煩わしいと思っていた墓参りに最近行くようになったんですが、そういう機会に両親と話すことも大事な時間なんだなあと感じています」

とはいえ、今も両親とそれほど深い話をするわけではないそうだが、「作った映画の内容で、何となく自分のことを理解してくれているんじゃないか」という思いは、どこかにあるという。

「いずれにせよ、泣くという行為は他の動物にはない、人間だけのもの。日々の生活で自律神経がおかしくなっているなという時でも、泣くことによってうまくバランスを取っている気もしますね」

(石原たきび)

  • 『トワイライト ささらさや』/最新作は、夫婦の絆を描いた加納朋子のベストセラー『ささら さや』を映画化したもの。11月8日から全国ロードショー。(c)2014『トワイライト ささらさや』製作委員会

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