『リアル鬼ごっこ』で一躍ブレイク!山田悠介の学生時代

中高生を夢中にさせる小説家の素顔

2015.03.30 MON


(後藤 渉=撮影)
神奈川県平塚育ち。高校のクラスメイトや遊び友達には、ヤンチャな連中が多かった――中高生から絶大な人気を誇る小説家・山田悠介さんは、そんな環境で高校時代を過ごしたという。

「熱中したのはバイクとバイト。あとは友達の家に入り浸ってゲームをしたり、カラオケに行って騒いだり。本はまったく読まなかったし、勉強もあまりしなかったけど、歴史の授業は好きでしたね。今思えば、歴史や英語はもっと勉強しておけばよかった」

もちろん、当時はまだ小説を書き始めていない。将来についてどのように考えていたのかというと…。

「なんとなく、自分の頭のなかでつくったものを表現する仕事がしたいという思いはありました。それは、小説でも映画でもテレビでもよかったんです。高校の頃は漫才師になろうと思った時期もあったけど、やらなくてよかったですね。絶対に売れてなかったと思うから」

小説を書き始めたのは、高校卒業後、19歳のときだ。

「高校を出て3カ月くらいプラプラしていて、このままじゃまずいなという焦りが出てきて。まずは自分の好きなことを見つけようと、小説を書き始めたんです。パソコンを買って、『特打』でブラインドタッチを練習してね。最初に書いたのを文芸社に送って、自分的にはいまいちだったからもう一作書いて、また送って…」

山田さんはさらっと言うが、そのときに書いた作品が、2001年に文芸社で自費出版し、100万部を超えるベストセラーになった『リアル鬼ごっこ』だ。まったくのド素人が1年足らずで小説を書きあげ、職業作家としてデビューしたのである。

「最初は打ち合わせもしないし、勢いだけで書いていました。その後も書き続けられたのは、バイトを辞めて職業として小説家を選んだことで、書き続けないといけなくなったから。文学青年で芸術としてやっている人なら5年、10年かかってでも自分が納得したものを書くのかもしれない。でも、僕はバイトを辞めたときからこれで食っていくと決めたので、とにかく忘れられちゃいけない、書いて売らなきゃいけないという思いが強かったですね。もちろん、書くこと自体は楽しかったんですけど」

そうやって書かれた山田さんの小説は、最近本を読まないといわれる中高生から、絶大な支持を得ている。

「ちょっとハラハラするくらいの内容が、いいのかもしれないですね。僕は本を読むより友達と外で遊んでた方が楽しかったから、読む人の気持ちが実はよくわかってない(笑)。本を読むのが好きな人はたくさん読めばいいし、人それぞれ、自分の好きなことをやり続ければいいと思います。それが職業になれば、もっといいですよね」

山田さんが小説家という道を選んだのは、高校を卒業したあとだった。今振り返って、やりたいことを見つけるのは早い方がいいと思うのだろうか。

「早く見つけられるに越したことはないですよね。何かひとつ目標がないと、がんばることができないから。僕、この前子供が生まれたんですけど、自分の得意なものをひとつ見つけさせて、それをやらせようと思っています。勉強が好きじゃないなら目標を持て、目標がないなら勉強しろ、という感じ。全部はできなくても、一個できればいいんですよ」


●山田悠介(やまだ・ゆうすけ)
1981年生まれ。2001年に自費出版した処女作『リアル鬼ごっこ』がベストセラーになり、のちに映画化。その後も『その時までサヨナラ』などのヒット作を次々と発表し、中高生を中心に絶大な支持を得る。文庫書き下ろしシリーズ『君がいる時はいつも雨』『天使が怪獣になる前に』(文芸社文庫/各626円)が絶賛発売中。

(宇野浩志=取材・文)

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