濱田岳、釣りバカ初日に手が震え…

濱田岳

2015.10.29 THU

ロングインタビュー


吉州正行=文 林 和也=写真
――プレッシャーは当然、ありましたよね。

「正月映画の代表ですし、毎年楽しみにされていた方も多い作品ですし、西田さんと三國さんの伝説的コンビとか、数え上げたらキリがないくらいすごい要素が詰まった作品です。それを西田さんご自身の前で演るという…。のど元過ぎたから言えるけど、正直つらい気持ちもあったりして。最初に、西田さんが『僕も三國さんのスーさんをやるのは緊張しました』と優しく声を掛けてくださって。それで大分肩の荷が下りて、今はむしろ西田さんの前でできることが幸せだと感じています」

――現場の雰囲気はどうでしょう。

「実は、映画に携わった方も多くいて。皆さん思い出話もしてくれて、これほど心強いスタートはないと思いました。映画のときとはまた違ったチームワークが生まれつつあるように感じましたね」

――映画とは違う、新たなハマちゃん像が?

「いやいやもう、恐れ多くて。いつ裸踊りしたらいいのかとか、いつ“合体”(シリーズお馴染みの夜のコミカルなシーン)すればいいのかとか。それに西田さんとは、やっぱり力の差が圧倒的ですから。でも時代背景もハマちゃんの年齢設定も、いろいろ違う作品なので、映画版をいいとこ取りして作れたらと。時間を掛けて図太くなっていくのが楽しみですね。あとは広瀬アリスちゃん演じるみち子さん。この環境のなか、シリーズお馴染みのみち子さんを演じるのはドキドキなハズなのに、台本にないことを言いたい放題言っても、ちゃんと受け止めてツッコんでくれるんですよ!」

――『釣りバカ』はアドリブも楽しみですよね。そしてみち子さんと結ばれていないなら、ラブストーリーも期待できそうです。

「アドリブはもう…だって西田さんですからね。まだみち子さんとはまだ出会いのところ。どうなっていくかは僕にもわからないですけど。今回のドラマで鯉太郎(息子)をゴールにする縛りもないですから。ただ原作ファンとしては、決してアリスちゃんと“合体”したいというわけではなく(笑)、楽しみにしたいところではあります」

――始まったばかりですけど、映画のように続いていくといいですよね。やりがいのあるお仕事とお見受けしました。

「俳優の仕事って、代わりはいくらでもいるわけです。大勢いる俳優の中で、せっかく浜崎伝助を任せていただいたので、『濱田岳でよかった』と思っていただけないといけないですよね。いや、これほど震えたことはなかったですよ。とくに初日の手の震えは尋常じゃなくて、自分の中でそれだけ気負ってたんだなって思います。ただ基本はうれしいですよ」

――緊張しやすい?

「…わけではないんですが、適度にプレッシャーが掛かっていた方が、ワクワクできていいですよね。かといって過度にプレッシャーが掛かると縮こまっちゃうし。飛べるか飛べないか…くらいがいい」

――役には入り込む方ですか?

「台本を見て、少しウルッときましたね。ハマちゃんがスーさんを思う気持ちっていうのが、単純におじいちゃんの釣り仲間ができてうれしいというピュアな気持ちで、思わぬところでグッときちゃいました」

――原作や台本に感化されることが多い。

「実はけっこう泣き虫なんですよね。この間、テレビ東京の『世界で働くお父さん』の特集を見て、かなりエグエグ来ちゃったくらいで。あとは甲子園とか、パフォーマンスなしの純粋な気持ちから来る思い…みたいなものに弱いんですよね」

――金太郎に扮したauのCMでも泣いてましたけど。

「あれはCMですから、『何秒以内に号泣してください』みたいなビックリ人間の世界ですよ(笑)。ただそういうシーンってスタッフさんもすごく気を遣ってくれて、撮影の順序を考えてくれたりするんですよ。そんなふうにみんなが心配りをしてくれると、本当に涙が出てくることがあります。台本にないセリフを相手の方とキャッチボールしていて涙が止まらなくなっちゃったりとか」

――優しいんですね。

「うーん、演じているときは“気分”ですよ。ただ仕事のチームワークという意味では、心揺さぶられるものがあります。役者も含め専門職が集まって、セカンド専門、ショート専門、キャッチャー専門と分かれて、勝ちに向かう。僕らが血のにじむような思いをしても、どんな努力をしても、いいかどうかを決めるのはお客様。そこがこの仕事の魅力ですよね。駄作になってしまうこともあるわけです」

――そういうときはやっぱり…。

「いや、さすがに泣いたりしませんけどね(笑)」

はまだ・がく/1988年東京都生まれ。98年ドラマ『ひとりぼっちの君に』でデビュー。12月5日公開の映画『杉原千畝 スギハラチウネ』、2016年公開映画『世界から猫が消えたなら』、『ヒメアノール』など、出演作が立て続けに公開予定。『釣りバカ日誌 新入社員 浜崎伝助』(テレビ東京系)では、仕事よりも釣りに夢中な新入社員の浜崎伝助を生き生きと演じる。西田敏行が演じる鈴木一之助との見事な掛け合いに注目だ。釣りバカファンならずとも楽しめる仕上がりで、毎週金曜夜8時から絶賛放送中!

吉州正行=文
林 和也=写真

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