品川「庄司に助けられた部分ない」

品川 祐

2015.11.26 THU

ロングインタビュー

しながわひろし/1972年東京都生まれ。東京NSC第1期生。95年に庄司智春と品川庄司を結成。著書に『ドロップ』(リトルモア刊)ほか。映画監督作品に2008年『ドロップ』、15年『Zアイランド』など。「品川庄司20周年記念コントライブ」は、ゲストにダイノジを招いて12月26日(土)、27日(日)に北沢タウンホールで公演。「1本1本のコントを大切に、ネタ番組が好きな人が楽しめるクオリティを目指しています!」と本人談。チケット好評発売中!
品川庄司の品川祐は作家活動や映画監督など、お笑いの傍らで創作活動に精を出してきた。そんなこともあってか、ネットを中心に炎上騒動が起きたり、しばしば叩かれたりしてきたことも、ご承知の通り。そんな品川庄司は今年、結成から20年目を迎え、初心に返る思いもあってコントライブを企画。単独ライブは、実に5年ぶりになるという。

――今回、なぜコントライブをやることにしたんですか?

「前々から庄司がやりたいと言っていたんです。ただ品川庄司というコンビに対して愛情が薄れていた時期も長かったし、ここ数年は映画作りにも必死でしたから。コントライブって大変なんですよ。ネタはぜんぶ僕が書くので、『お前なにもしないじゃないか』と。それに5年前に一度やったときは、なんか中途半端だったんですよね。昔のネタの焼き直しもあって、不完全燃焼だったという後悔もあります」

――庄司さんはどんな思いからライブをしたかったんでしょうか

「あいつから聞いたことはないんですけど、品川庄司はネタで世に出たという気持ちがあると思うんですよね。単独ライブからテレビに繋がった、あのときの“熱”をもう一度という。最近はコンビ仲も落ち着いてきたので、20年という節目で一回やっておこうかなと思って」

――コンビ仲、悪かったんですね。

「ギスギスしていましたね。ピークは8年前くらいです。本当に好きじゃなかった。僕の性格もこんなだし、庄司もああ見えてガンコですから、ほか(のコンビ)と比べてもすごく不仲だったと思いますよ」

――でも、乗り越えられた。

「というか、あんまり一緒に仕事をすることがなくなったんですよ。会わなければ腹立たないとか。四六時中一緒だと腹立つんですよね。そこで『ドロップ』とか書いたりすると『なんだ、おれだけでできるじゃん』って」

――『ドロップ』の映画化は監督もされて、ヒットもしました。そのときに庄司さん、どんなお気持ちだったんでしょうね。

「給料も減ってすごく不安だったと当時は言ってましたね」

――そんな紆余曲折を経た20年目の品川庄司のライブ。中身はもう決まってるんですか?

「今(11月中旬の取材日時点)はボンヤリとネタ出し中ですね。以前とは違うものにしたいと考えています。これまでライブで作ってきたものって、7~8本の別々のコントが実は伏線で繋がってました…みたいな、映画の『パルプフィクション』のようなもので、それがウケたんですよ。でも今回は、僕が映画作りでやってきた1本の作品を作りこむようなもの、ネタ番組に呼ばれたときにもできるような単発のネタをたくさん作ろうかと思っています」

――お笑いから映画に進んでコントに戻るって、武者修行してホームに戻るような感じですよね。すると“戦い方”が上手くなっている実感はありますか?

「いやもう、ぜんぜんですよ。プレッシャーだらけです。ネタ自体久しぶりに書きますからね」

――コントも映画も、品川さんの脚本は長いセリフが特徴的ですよね。

「いやホントそうなんですよ。我ながら嫌になります」

――しっかり覚えてくる庄司さんに助けられる部分もあるんじゃないですか?

「いや、庄司から助けられる部分はないですよ。あいつが書くわけじゃないので」

――辛辣ですね。

「でも庄司がひとりでネタやってるのを見るじゃないですか。それ見るとすっごく面白かったりするんですよね。たとえば『ミキティー!!』(と叫ぶネタ)はあいつひとりで考えたもの。でもコンビのネタとなると、途端に一切口を出さないんですよ。仲悪かったころはあいつに対する愛情が薄い分、よさを引き出す気になれなかったんですけど、今のテーマはどうしたら庄司が活かせるのかです。その気持ちでやったら、もっと面白いものになるんじゃないかって思うんですよ」

――なんだかんだで、コンビ愛あるじゃないですか。

「いや、ライブを成功させたいだけですよ」

――芸人としてのそういった活動と、映画などの創作活動はどういうバランスでやっているんですか?

「おれね、テレビもなんとなく出ているんですよね。休みが結構あって。収録は週に4本くらいあるんです。月にすると単発含めて15~20本くらい。すると、なんとなくテレビに出ている人になるじゃないですか。忙しい人は当然もっとですけど、今はレギュラー0本なんで」

――えっ!

「いやそうなんですよ。週3くらい休みなんです。ただまあ、それでいいっちゃいいんですよ。というのも、映画もコントも、書くときには自分で時間を作るしかない。カフェやマンガ喫茶でじっくり取り組むほかないんですよ。だからね、今は創作に回せる時間があるんです」

――休みだからといって気を抜かずに、自主的に活用するスタンスは見習いたいですね。とすると、理想的なワークライフバランスじゃないですか?

「でも芸人としては満足できる仕事量じゃないんです。正直、仕事がないという焦りはあります。だから最近は何がベストなのかわからなくなってきちゃって…。とりあえずテレビでは、『休みだらけで…』という愚痴を言うようにしています」

吉々是良=取材・文/林 和也=撮影

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