品川祐「ネガティブな出来事のほとんどはネタになる」

品川 祐

2015.12.03 THU

ロングインタビュー

しながわひろし/1972年東京都生まれ。東京NSC第1期生。95年に庄司智春と品川庄司を結成。著書に『ドロップ』(リトルモア刊)ほか。映画監督作品に2008年『ドロップ』、15年『Zアイランド』など。「品川庄司20周年記念コントライブ」は、ゲストにダイノジを招いて12月26日(土)、27日(日)に北沢タウンホールで公演。「1本1本のコントを大切に、ネタ番組が好きな人が楽しめるクオリティを目指しています!」と本人談。チケット好評発売中!
品川 祐は、世間から嫌われていることを自覚している。しばしばテレビでそれをネタにしていることからも明らかだ。そんな逆風のなか、約5年ぶりとなるコントライブを行うという。映画や執筆活動で腕を磨いてきた品川が、“ホーム”でネタを作り、演じるのには、初心に戻る意味もあるようだ。一方のテレビ方面に目をやると、レギュラー番組は現在0本。週3で休みがある状況だという。

――でも、どこかひょうひょうとしていますよね。

「誰かがネットで書いていましたけど、傷ついている様すらわざとらしいらしくて…。そいつ、さんざんイジられた『アメトーーク!』の『どうした品川?』の回を分析していて、『普通はああいうテーマで傷つきまくって180度変わって、タレントは新しい“商品”になるのに、品川にはかわいげが全く出ない』って。それ見て妙に感心しちゃいました」

――なんか他人事みたいですね。

「どっかで笑いになればいいやって思うんですよね。こういうインタビューも、映画について真面目に語ったりするときも、バラエティに取り上げられてイジりのネタにされるんですよ。正直10年前は、笑われるのがイヤだから取材中にどっかでブレーキかけて答えていたんですけど、インタビュアーの方って抜粋するじゃないですか」

――はい(笑)

「結局カッコつけた記事になっちゃうわけだから、ある種開き直りましたね。なるようになればいいでしょって。監督さんや俳優さんはそれでいいでしょうけど、芸人は誰かが絶対にイジってくる」

――ネタにされることは、芸人としておいしいことではないんですか?

「昔はイヤでしたね。ダウンタウンさんといった方々にあこがれて入ってきているから、どちらかといえばイジる方というか、価値を作り上げる方を目指していましたから。そこが変わってきたのは『どうした品川?』のころからです。あれだけけなされても、しっかり笑いになるんだって気づいたんですよ」

――3年前くらいですね。東野幸治さんや有吉弘行さんに、コテンパンにやられてましたね。

「それまでは、たとえばひな壇に20人いると、あまり順番が回ってこなかったんですよ。ウドさんや出川さん狩野英孝は、何もしなくてもイジられるけど、僕は自分から攻めに行かないと話せなかった。でも『どうした品川?』以来、黙ってても打席が回ってくるようになった。僕、いまだに上の段の一番端っこが特等席なんですよ。その居心地がよくて。自分で打って出るか、誰かにイジられるしかない場所なんです。常に点を取りに行かないとならない状況とは、全然違いますから」

――なんだか丸くなられました?

「う~ん、自分自身ではそう思ってないですけどね。ただウケればいいとは思えるようになりました。むかつくことはそりゃありますよ。たとえばツイッターでなんか書かれると、傷つきはしないけどむかつきはする。でもそれで悩むことはないですし、ネガティブな出来事のほとんどはネタになるんですよね」

――そこは芸人さんならではですけど、なんだか身につまされますね。バネにしちゃえっていう気持ちがあれば、ネガティブなこともポジティブになる。一方で、たとえば山里(亮太:南海キャンディーズ)さんとかウーマン村本(大輔:ウーマンラッシュアワー)さんとかといろいろ揉めてましたよね。それはプロレスみたいなものなんですか?

「いや別にそんなことないです。その後友好的になってもいないですけどね。ただ顔合わせるたびに『あぁん?』みたいなことにもなってないですが、かわいい後輩に戻るというか、番組で和解したからといって仲良くなることもないですね」

――ダイノジの大谷(ノブ彦)さんとも昔揉めていたこともあったそうですが、今回ライブを一緒にやるんですよね。

「それはダイノジさんの20周年のトークライブに出たときに、ノリで決まったんですよね。不思議なもんですよ。庄司ともギクシャクしていましたけど、今年品川庄司が20年目で、いい歳したおっさんたちが舞台で一緒にやろうってなるから」

――どんなものになりそうですか。

「記念ライブって、豪華なゲストや特別な構成作家さんを呼んでやることもあるんですけど、それはガツガツしていた俺ららしくないなと思って。だからコントをたくさんやってきて、それを見て喜んでくれたお客さんたちが一番見たくなるものを作ろうという、いわば初心に返るような気持ちでやろうと思っています」

――なるほど。ちなみに初心に返るって、反省することとは違うんですよね?

「僕はあまのじゃくですから、『こうすればいいのに』という声が聞こえたりすると、真逆のことをしちゃうんですよね。『品川です!』みたいなせっかくの持ちギャグを封印したり、テレビで反省の証しに坊主頭にして、そのまま続ければいいのに髪伸ばしたり…。そういうことに気づくと、ああ俺ってテレビっぽくないと思う。もう一生自分のブームなんて来ないんだろうなって」

――損な性格ですね。

「毒のあるテーマの番組でしか呼ばれないですし、マッコイ(斎藤)さんとか、加地(倫三)さんとか、濃い人ばかりと付き合っている。でもそういう僕のことをわかっている人から、『明日頼むわ』みたいな感じで商売をするのが性に合ってるのかなって思いますね。『商店街にある品川電機』みたいな、そんな立ち位置がいいのかもしれませんね」

吉々是良=取材・文/林 和也=撮影

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