「著作権法の一部改正案」成立

輸入盤CDがある日、レコード店から消える、かも?

2004.07.01 THU

安いものが好き、というのは消費者としてあたりまえの姿勢である。食品でも衣料品でも、中身が同じなら安いほうが嬉しい。音楽CDもそうだ。たとえば宇多田ヒカル『SINGLE COLLECTION Vol.1』の定価は3059円だが、新大久保や池袋あたりのアジアンポップ専門店に行けば、中身が同じ逆輸入盤を2300円程度で買える。逆輸入盤とは、アジアなどに戦略上低い価格で輸出された日本盤CDが国内に還流したもの。海賊盤とは違い正規の商品で、安価なぶん消費者にはありがたい。が、日本向けの日本盤(ややこしい)を定価で売りたいレコード会社には、迷惑な存在だった。

こうした逆輸入盤を規制することなどが盛り込まれ、改正された著作権法が、6月3日に衆院で成立した。今後はレコード会社に「輸入権」という権利が与えられ、彼らの判断によって逆輸入盤などの輸入が禁止される。映画DVDなどの場合、法整備も進んでおり、実際上も再生方式や言語の違いなどから、問題になることはなかった。

気になるのは、輸入盤の規制がレコード会社の判断次第という点だ。条文には「アジアからの逆輸入盤」という文言は特にない。逆輸入盤の還流阻止という趣旨が守られているうちはいいが、レコード会社のお家の事情によっては、英米からの輸入盤もいつどうなることか。世界の音楽産業の元締めともいえるRIAA(全米レコード協会)は、以前から海賊盤対策などのため、並行輸入の全面的な禁止という方針を打ち出していた。協会と日本のレコード会社の利害が、正規盤を買わせるという点で一致すれば、極端な話、輸入盤CDがレコードショップから消えてしまう可能性もある。

可決にあたっての付帯決議で、輸入権の乱用には一応の歯止めがかけられてはいる。が、ただでさえCDが売れないご時世。さらなる「法解釈」や「運用」が行われないとも限らない。音楽ファンのみならず、今後のレコード会社の動向には注目すべきだろう。

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