ロックフェスが成り立つ仕組み

ホントにもうかってんの?増殖するロックフェス事情

2004.08.05 THU

青空に突き抜ける爆音をビール片手にぼんやり楽しむもよし、ステージ前で汗だくになって踊るもよし。野外・屋内を問わず、数十組ものアーティストが数日に渡って繰り広げる大規模ロックフェスは、もはや日本の夏の風物詩のひとつとして定着した感がある。

しかし、あんなにたくさんアーティスト集めて、イベントとしてペイできているのだろうか? 大御所になると引き連れている音響や照明その他スタッフの人件費だってバカにならない。宿泊・交通・食事・ギャラなどなど、参加アーティストが増えれば増えるほど、イベントを仕掛ける側には旨味が少なくなっていくのでは…。

「純粋に利潤を求めているのなら、そもそも大規模なロックフェスなんて、どこもやらないはずですよ。主催者も含め、参加する全員が楽しむ、それが第一目的。あくまで夏祭りですから。基本的には、チケットの売上とスポンサーからの協賛金で製作費をまかなうシステムですが、収益として労力に見合っているとはとてもいえませんね」とサマーソニックを仕切るクリエイティブマン・プロジェクトの関係者は苦笑い。

複数のレコード会社のA&Rに話を聞くと、レコード会社側は、プッシュしたい新人を有名フェスに出演させ、一種の格上げを狙うこともあるという。そのために製作費などを負担したり、ギャラを度外視して出演させたり。また、知名度のあるアーティストにとっても、ファン層をより拡大するチャンスとして機能する。そして一部のイベンターにとっては、大規模なフェスを仕切ることで、海外のエージェントなどに対する影響力も強化できるのでは、という。

つまり、ロックフェスは主催者の熱意や使命感、レコード会社の積極的な協力、そして各スポンサーの理解によってギリギリで成立しているのだ。もちろん観客となるぼくたちも、その構造を支える大黒柱。これからも夏のロックフェスを楽しみたいなら、遠いだの高いだの文句つけるより、参加することが大事、というわけ。

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