『マンガ産業論』の著者が提言

未来の日本を支えるはずのマンガ産業が大ピンチ!?

2004.09.02 THU

年間新刊点数約9800点、雑誌と単行本の年間売り上げは合計で約5200億円、アニメやキャラクター商品の版権収入を含めれば6000億円の市場規模を持つ日本のマンガ産業。経済産業省の推計では、世界規模でのアニメやキャラクター商品の売り上げを加えると3兆円産業になるとも言われる。

もともと子供の読み物だったマンガが、大人も楽しむエンタテインメントに変化したのは60年代後半。それを支えたのは、47年から50年の間に生まれたベビーブーマー世代だ。彼らが大学生になったとき、世間は「大学生がマンガを読む」と驚き、30代になったときには「サラリーマンがマンガを読んでいる」と驚いた。そして今、マンガは多くの日本人にとって、生まれたときから存在する、日常の一部分になっている。

このマンガ産業が大きな危機に直面している。最大の問題は、ベビーブーマー世代がまもなく60歳を迎えることだ。定年で会社を辞めた後、マンガは果たして彼らに受け入れられる作品を提供できるのか? できなければ、読者の年齢幅が永遠に拡大し続けることを前提にして発展した国内マンガ市場は収縮せざるをえなくなる。少子化とあわせ、07年からの4年間に失われる読者数は、最悪350万人。日本の推定マンガ人口のほぼ1割に匹敵する数字だ。

また、70~80年代の黄金期を支えた描き手たちの高齢化も気になる。60歳を越えたベテランに10年後、20年後まで期待するのは酷だろう。これはアニメにも言える。世界的な評価を受ける日本アニメをビジネスとして成り立たせているのは、宮崎駿、富野由悠季といったベテラン監督たちなのである。

新しいマンガ、新しい才能を発掘し育てられなければ、やがて日本のマンガ・アニメは、若手が続々登場している韓国や中国に追い抜かれるかも知れない。この危機を打開する鍵は、団塊ジュニア世代のクリエーターたちや読み手たちが握っているのである。

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