本格レーシング、ここに極まる

『グランツーリスモ4』が示すシミュレーションゲームの未来

2004.12.22 WED

大ヒットを飛ばしたゲームからは、時折そのジャンル全体を牽引するような超定番シリーズが生まれることがある。例えば、サッカーゲームなら『ウイニングイレブン』、3D格闘ゲームならかつての『バーチャファイター』がそうだった。こうした怪物タイトルは、多くのフォロワーを生みながら、新作を出すごとにゲーム性を洗練させて孤高の存在となっていくケースが多い。

レーシングゲームの世界でいえば、今月発売予定の『グランツーリスモ4(以下GT4)』が、その頂点といって差し支えないだろう。完成披露会で一足先に『GT4』体験をしてきたが、ドリフトやグリップなど車の挙動はますます実車に近づいていた。プロデューサーの山内一典氏は「ドライビングの楽しさだけではなく、車を巡る様々な愉しみにも目を向けた」と語る。古今の名車を700台以上も収録し、好みの車を美麗なグラフィックで撮影できるフォトモードや、自分で直接操作せず、レースチームの監督気分でゆっくり流れる風景を堪能できるB-specモードの導入は、そんな山内氏の思想の表れだろう。

それにしても『GT4』の高度に現実をトレースする技術を見ていると、あらゆるものがシミュレートできる可能性を期待せずにはいられない。そもそもシミュレーションゲームは疑似体験ソフトのことを指すが、ゲーム機の性能が低かったころの名残りだろうか、戦略ゲームなどロジカルな方向に走る傾向があった。いまだそうしたイメージは根強い。しかし、3D技術が発達し、ゲーム世界が現実に肉迫するようになった現在、シミュレーションの要素は様々なジャンルのゲームに転用可能になってきたのだ。

本格派を指向する大作ゲームは、これからますますシミュレーションの世界に近づいていくだろう。そして、それはどんな変化をゲームにもたらしていくのか。『GT』シリーズの進化とともに見守りたい。

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