穴狙いではなく、堅実なビジネス!?

ベストセラー『電車男』に続け!注目を浴びるネット本出版事情

2005.02.17 THU

50万部を越えるベストセラーとなった『電車男』(新潮社)。そのヒットに続けとばかり、ネット上のコンテンツを書籍化する“ネット本”の刊行が活発化している。たとえば、アメーバブックスは、年間20~30冊のネット本の刊行予定。ある恐妻家のブログを書籍化した『実録鬼嫁日記』は、テレビでも複数取り上げられ話題を集めている。インフォバーンは、メルマガ配信サービスのまぐまぐと組んで、人気メルマガを書籍として刊行。また、ニフティが主催したブログ・コンテストの優秀作を書籍にしていく。

ユーザー同士のリアルなやりとりが生み出す感動物語が『電車男』に通じるものがあると評判なのが、『今週、妻が浮気します』(中央公論新社)。「妻が浮気をする。どうすればいいか?」という、Q&Aサイトへの書き込みに対して寄せられたコメントをまとめた書籍だ。

一方、思わぬ壁にぶつかったのがアスキー。同社は、2ちゃんねるの独身男性板を基にした『毒男』の出版に着手したが、内容がモテない男のエピソードを集めたものだけに、投稿者の中から「書籍化反対」「自分の投稿は掲載するな」との声が噴出、発売が暗礁に乗り上げてしまった(2月上旬現在)。

雨後の筍のごとく書店に並ぶネット本。都内の某大型書店によれば、「ネット本は、1月だけで20冊以上出ているのではないか」という。

数多くのネット本を出版してきたバジリコの編集者は、「ネット本では、1万部売れれば合格、2~3万部で大成功。経費がかからない分、そこそこ売れれば損はしない」とネット本バブルの背景を解説。一方では、「『電車男』ほどのヒットは、もうないでしょうね。ネット上からおもしろいものを探すのは、海岸で一粒の砂金を探すようなもんですよ」とシビアな見方をする。

ネットの普及が出版不況の一因ともいわれる中、ネットから出版市場に福音はもたらされるのか?

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