打倒、直木賞となるか

書店員が選ぶ「本屋大賞」今年は恩田陸『夜のピクニック』

2005.04.14 THU

ワインの目利きがソムリエなら、本の目利きは書評家。そして、書店員だ。そもそも書店で働こうという時点で読書家なのは当たり前。加えて日々膨大な量の新刊を目にする彼ら、本に対する知識量は相当なものです(例外もありますが)。そんな人たちから「この本面白いよ」と勧められたら、思わず読んでみたくはならないだろうか。

「でも、書店員の知り合いなんていないし」というアナタ。「本屋大賞」って知ってますか? 今年で2回めを迎えるこの賞は、これまで、どちらかというと裏方的存在だった彼らが「今もっとも売りたい本」に贈るもの。エライ作家の先生たちが小料理屋に集まってモゴモゴ決める既存の文学賞よりはよほど参考になるかもしれない。

同賞の運営をバックアップする本の雑誌社・杉江由次氏によると、創設のきっかけは「酒飲み話」だという。「出版社の書店営業という仕事柄、ふだんから書店員とは交流がありました。そして、彼らと酒を飲むと決まって出るのが『自分ならこの本に賞をあげたい』、『あの本はもっと売れてもいいはず』という話だったんです」(杉江氏)。「じゃあ、いっそ自分たちで賞を作るか」と盛り上がったはいいが、ネックは全国の書店員から投票を募るシステム。しかし、インターネット投票という方法を知った瞬間、構想は一気に現実味を増す。何人かの書店員有志と、選考方法からスケジュール、賞の名前などについて何度も議論。かくして予算ゼロ、手弁当で始めた「夢物語」が現実のものとなった。

昨年、第1回の大賞受賞作『博士の愛した数式』(小川洋子/新潮社)は、受賞後に40万部を超えるベストセラーに。今年も大手チェーン店から町の本屋さん、ネット書店まで計240書店、493名からのエントリーがあり、大賞には『夜のピクニック』(恩田陸/新潮社)が選ばれた。直木賞の候補にすらならなかったこの作品が今後どう化けるのか。大いに注目…する前にまずは読んでみます! 

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