「生命が透けて見える」

生態系の神秘に迫る!坂田明氏のミジンコDVD

2006.01.12 THU


坂田明氏(60歳)。72年に山下洋輔トリオに参加して以降、日本のジャズシーンの第一線で活躍し続けているサックスプレイヤーだ。

そんな彼が半生を捧げて没頭しているのがミジンコ研究。飼っていた魚のエサとして採ってきたミジンコを何気なく顕微鏡で覗いた際、「生命が透けて見える」さまに感動したのが研究を始めるきっかけだった。

顕微鏡、CCDカメラなど、これまでに200万円以上つぎ込んだという自前の装置を駆使して撮りためた映像は、昨年10月にジェネオン エンタテインメントから『ミジンコ 静かなる宇宙』(3990円)というDVDとして発売。ミジンコ研究の第一人者に「脱皮や産卵の瞬間を捉えた映像は初めて見ました。時間をかけて観察しないと撮れないもの」(信州大学山地水環境教育研究センター・花里孝幸教授)と言わしめるほどの労作で、体の構造や生態を坂田氏みずからが時折ダジャレも交えながら(感動的な出産シーンで「おっ、出ましたようすけ」など…)愛情たっぷりに解説している。

というわけで、埼玉県のご自宅にお邪魔して、ミジンコの魅力について聞いてみた。

「魅力? うーん、実際に見ないとな」と言いつつ、庭のミジンコ飼育用水槽からすくった水を片手に研究部屋へ招き入れる坂田さん。スポイトで吸って水滴ごと顕微鏡のホールグラスに載せる。

「長いときは6時間ぐらい座りっぱなし。ずっと見続けてるとたまに発見があるんだよ」と言うそばから「おっ!」と興奮の声があがった。「オスが精嚢をぶら下げてる! これは珍しい!」。慌てて録画ボタンを押す。どうやら貴重な瞬間に立ち会ったようだ。

研究を始める前は、魂につながる音を出そうと全力でサックスを吹いていた。しかし、「ミジンコはミジンコの都合で生きてる、彼らに愛は通じないんだと悟ってからは、肩の力が抜けてね。音楽の幅も広がったよ」

確かに透明な体と愛敬のある動きはずっと見ていても飽きない。世界最小の癒し系プランクトン、ブレイク間近!?

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