“何でも調べる”コラムニストで知られる

堀井憲一郎『若者殺しの時代』がおもしろいんです!

2006.06.15 THU

いつごろからだろう。皆が「セックス」のことを「エッチ」と呼ぶようになったのは。「エッチ」は、男子にスカートをめくられた女子が言う言葉じゃなかったっけ。俺は断固として「セックス」と言い続けるぞ。

って、今回はそういう話じゃない。『若者殺しの時代』(講談社現代新書)を読んでびっくりしたんです。「エッチ」が性行為を表す言葉として使われ始めたのは83年からだ、と書いてあったので。著者は、コラムニストでTVウォッチャーとしても知られる堀井憲一郎氏(48歳)。

「当時、僕を含めて一部の大学生が同時多発的に使い始めたんですよ。冗談で言ってたのが定着しちゃって。でも、本来セックスはオトナの行為。『エッチ』という幼児語に取って代わってから、確実に何かがおかしくなった気がしますね」(堀井氏)

同年12月には『an・an』が初めてクリスマス特集を組む。このころからクリスマスが恋人たちのものになっていった。

「70年代までは消費社会に“若者”というカテゴリーはなかった。でも、80年代にオトナたちが気づいたんです。彼らにお金を使わせれば儲かるってことに」(同)

同書によれば、現代は「若者であることが決定的に損な時代」で、その転換点が83 年だという。ディズニーランドが今のように聖地化したのは87年。フジテレビの「月9」ドラマに初めて携帯電話が登場するのは89年だという。その他、バレンタインデーや漫画など、時代のリアルな断片を分析することによって、若者たちがいつから

“不幸”になったかを検証している。
「今の若い人たちを見ていると動物としての元気さがない気がします。情報が多すぎてしんどいんじゃないかな」(同)

この本の結論は「近い将来、日本の社会システムは破たんするから若者たちは逃げろ」というもの。しかし、逃げるといっても難しい。どうすればいいの? 堀井氏からの提案はあとがきに書いてある。「なるほどな」と思いましたよ。

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