冠婚葬祭のマナーの成り立ち

“常識”“正式”と受け継がれる冠婚葬祭マナーのヒ・ミ・ツ

2006.08.03 THU

今では誰もが“一般常識”と考える冠婚葬祭のマナーの数々。でも、そのマナーはどのようにして生まれたものなんでしょう? 「昔からの伝統だから」「日本古来のしきたりだから」、そんなふうに考えている人が多いのでは? でも、実はそんなに“伝統的”でもないというんです。

先日出版された『冠婚葬祭のひみつ』(斎藤美奈子著/岩波新書)には、現在では常識、正式だと思われている冠婚葬祭のマナーの数々は、昔から決められていたものではなく、実はその時代の経済的、文化的変化に関連して変わっていくものだと解説しています。本書のなかでとりわけ興味深いのが、現在正式なものと考えられているお葬式のマナーの数々が、一冊の冠婚葬祭マニュアルのなかで提案されたものだと指摘しているところ。70年に出版された『冠婚葬祭入門』(塩月弥栄子著/光文社)がそれ。シリーズ全体の累計で700万部も売れたというこの本に対して『冠婚葬祭のひみつ』では“〈喪服に、真珠のアクセサリーをつけてもよい〉、〈香典包みの中包みにも、金額と氏名を明記する〉…(省略)…などは『冠婚葬祭入門』が広めたマナーといえるだろう”と説明している。また現在の葬儀ではすでに定番になっている「別れ花の式」(出棺前に近親者の手で棺を花で埋める行為)もこの本のなかで著者が提案した形なのだそう。
「この本がベストセラーとなったことで、多くの人がここで紹介された作法に従うようになったんです。それが受け継がれて、今では“正式”“常識”となったのでしょう。しかし冠婚葬祭のマナーとは“相手を想う気持ち”の上に成り立つもの。作法にとらわれるあまりに、そんな大切な気持ちを忘れてしまわないようにしてほしいですね」と著者の斎藤さんは語る。

冠婚葬祭の本質が分かるこの『冠婚葬祭のひみつ』、社会人の“常識”としてぜひ一度読んでみては?

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