江戸時代のデジタルアート!?

伊藤若冲の絵画展で度肝を抜かれた!

2006.08.17 THU


白い象、馬、猿、牛、虎、鶏…様々な動物を集め、南国の楽園を思わせるような極彩色。これぞまさしく現代のポップアート? 驚くなかれ、なんと江戸時代の作品なのだ。写真の『鳥獣花木図屏風』をさらによく見ると…細かく方眼が引かれている。その数約9万個! この膨大な数の方眼を「ドット」になぞらえ“江戸時代のデジタルアート”ともたとえられるほどだ。

この画を手がけたとされるのが伊藤若冲。250年前の京都で活躍した画家だ。さっそく東京国立博物館へ「若冲と江戸絵画」展を見に行ってみたところ、『鳥獣花木図屏風』だけでも十分驚きなのに、精密な筆致にサイケデリックな色の『紫陽花双鶏図』と細部を省略したモノクロの『群鶴図』などは、別の作者? と思ってしまうほど見た目が異なる。こんな若冲作品の鑑賞ポイントはどこなのだろう…。そこで若冲研究で知られる辻 惟雄さん(MIHO MUSEUM館長)に伺った。

「若冲は“形”へのこだわりを持った人です。彩色、略画のいずれも“形”に着目すれば若冲の個性がみえてくるでしょう」

―なるほど…。最近若冲はテレビなど各メディアでも注目されていますね。

「私が若冲を取り上げた40年ほど前は、むしろ若冲自身が生きていた時代より評価が低いと思われるくらいでした。それが京都で行われた若冲展(筆者注:00年開催)以降、意外にも若い人を中心にクチコミで若冲が広まっていったようです」

―なぜ年配の方ではなく、R25世代など若い人たちにウケたのでしょう?

「今の若い人は『もう一つの現実があってほしい』と求めているのでは。若冲の画はとにかく美しく官能的でもあり、浮遊感があります。それをバーチャルリアリティとして感じているのかもしれませんね」

今月27日まで「若冲と江戸絵画」展で芸術の秋を一歩先取りし、若冲の画と向かい合ってみては? “古くて新しい”若冲に度肝を抜かれるぞ!

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