痴漢えん罪をリアルに描いた社会派映画

『それでもボクはやってない』GUILTY or NOT GUILTY?

2007.01.25 THU

我が身に起きたらシャレにならない“痴漢えん罪事件”。男性なら見過ごせないこのテーマを描いたのが、映画『それでもボクはやってない』だ。『Shall we ダンス?』の周防正行監督による本作は、痴漢の被疑者である男性の裁判を通じ、日本の刑事裁判の問題点を浮き彫りにした社会派エンタテインメントなんです。

就職活動の途中、満員電車で痴漢に間違われて逮捕されてしまうのは26歳、フリーターの金子徹平。はなから犯人扱いする警察に無実を主張し続けた徹平は、留置場に勾留され起訴されてしまうのだが…。

容疑を否認し続けた徹平は、逮捕された当日からそのまま留置場に長期勾留されてしまう。これはフィクションではなく、現実なのだそう。

「周防監督は3年もの徹底取材を行い、日本の刑事裁判の問題点を映画の中でリアルに再現しています。例えばこの長期勾留は“人質司法”と呼ばれるものです。痴漢は現行犯逮捕のため、被害者の一方的な証言だけで起訴されてしまいます。周辺の捜査をしないので物的証拠が乏しく、被疑者の自白が最大の証拠となるため、軽微な事件にもかかわらず勾留期間を長くして自白を迫るようです」(配給元の東宝宣伝部・是枝さん)

徹平の供述が、刑事の狡猾な誘導尋問によって犯行の自供にすり替えられたり、徹平の決定的な無実の証拠となるはずの再現ビデオがあっさり否定されるなど、刑事裁判のあり方を考えさせられることしきり。 しかし! 義憤に燃えていたのも束の間、徹平の供述と食い違う目撃証言が出てきたり、徹平の部屋から痴漢モノのアダルトビデオが出てきて事態は疑惑のラビリンスへ突入する。真実とは限りなくグレーなものだと痛感するわけではありますが…。

いよいよ09年から裁判員制度が実施の予定。もしあなたが徹平の裁判をジャッジするとしたら。有罪?無罪?あなたの判決はどっち??


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