歴史マニアでも気付かない!?

時代劇はどこまでが真実?知られざる時代考証家のお仕事

2007.05.10 THU

刀を腰に差した侍、きらびやかな着物で飾りたてた大奥の女たち。今からずっと昔のことなのに、時代劇で当時の暮らしをリアルに再現できるのはどうしてと、疑問に思ったことはないだろうか?

番組のエンドロールを見ていると、そこには頻繁に「時代考証」という表記が登場する。その役割は文字通り、いろんな資料から当時の生活を調べて、番組内容を歴史的にチェックするもの。けれど実際、どこまで厳密にやっているんだろう? 『ウンナンのお笑い突撃! 風林火山』などの歴史バラエティ番組を担当してきた、時代考証家の山田順子さんに聞いてみた。

「我々はその時々流行った髪形や習慣など、文献や合戦の様子を描いた絵巻を照らし合わせ、10年、20年単位で調べます。帯の締め方から動作、食べ物、言葉にいたるまで様々。そのなかで時代考証家がもっとも頭を悩ませるのが衣装です。たとえば履き物1つとってみても、戦国時代の人は土ぼこりで汚れるので、ほとんど素足で生活していました。けれど衣装さんは決まりごとのように足袋を履かせたがる。だからそれはやめましょうと指摘したりするわけです」

なるほど、これはかなりのこだわりよう。でも昔の女性って、結婚するとお歯黒を付けていたって聞いたけど、テレビではお目にかかったことがない。これはいったい?

「本当はそうなんですけど、今の時代劇ではまずやりませんね。まず女優さんが嫌がりますし、なにより気持ち悪い。要するに当時は美しいものでも、現在の感覚からするとそれが美しく見えないんです。そこで演出家と折り合いをつけます。歴史学者さんと違って時代劇は最終的に娯楽として表現するわけですから。ただ、これはおかしいというものはちゃんと主張しますよ」(同)

たしかにきれいな女優さんが真っ黒な歯で笑うのは違和感あるかも…。さすがにすべてを再現するのは無理なのかぁ。となると時代劇の世界が過去の歴史そのままと思ってはいけないんだね。


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