安倍首相の『美しい国へ』に対抗!?

麻生太郎『とてつもない日本』の“とてつもない”中身とは?

2007.08.09 THU



写真提供/時事通信
参院選の自民党惨敗は、安倍さんの「美しい国」づくりに対する有権者の否定だったともいえる。じゃあ、『美しい国へ』ではなく、『とてつもない日本』だとどうだろうか――。

麻生太郎外相といえば政界一のマンガ通で、『ローゼンメイデン』の読者であることからおたくのあいだで「ローゼン閣下」と呼ばれることでも有名。昨年の自民党総裁選では秋葉原で演説しておたくにバカ受けし、いまやポスト安倍の一番手に浮上。そのアキバの演説をきっかけに参院選前に出版され話題になったのが、その名も『とてつもない日本』というスゴい題名の本だ。

この本のポイントはおもに2つある。まず、ひとつは「日本の底力はすごい」という主張。格差社会や少子高齢化など、メディアではいかにも日本がおかしくなったかのようにいわれている。でも経済的水準は高いし、物はあふれ、安全も保障されている。こんないい国はほかにない、高齢化社会だっていいじゃないか、ニートだっていいじゃないか、とまで言ってみたりする。

そしてもうひとつは、安倍さんが美しい国にしようと主張しているのに対し、麻生さんは、日本は現在のままで美しいと言っていること。楽天的すぎるほどのポジティブ思考で日本を肯定し、日本も捨てたもんじゃない、上を向いて未来を考えようぜ、と語りかけているのだ。ちなみにタイトルの『とてつもない日本』とは、麻生さんの祖父でもある故・吉田茂の「日本はとてつもない国なのだ」という言葉に由来する。

もっともその主張にすべて賛成できるかといえば、そういうわけでもない。たとえば、今回の自民党の敗因のひとつには格差社会の問題があったはず。それは首相の安倍さんも認めていることで、麻生さんがどう考えようと、格差社会は小さな問題などではないのだ。「とてつもない日本」とか「美しい国」というまえに、今回の参院選が教えてくれたのは、政治家にはもっと生活に密着した目線が必要というあたりまえのことだったのではないか。


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