棒を振るだけなら、僕にもできそうだし…

クラシック音楽の指揮者っていったいどこがスゴイの?

2008.01.24 THU

クラシック音楽といえば、高尚で小難しい。そんなイメージの先行もあり、やみくもに拒絶反応を示す人も多かった。ただし、最近は“のだめ”の影響もあってか、グッと身近な音楽になってきたのでは? とはいえ、クラシック音楽の世界は、分からないことばかりだ。例えば指揮者。正直、「指揮棒を振るくらいなら、僕にもできそう」なんて、失礼ながら思ってしまうんだけど…。名指揮者っていったいどのあたりがスゴイの?

「指揮ではリズムはもちろん、音の強弱、曲の表情、音色など様々な指示をしています。したがって腕の振りひとつで、奏でる音のイメージが変わってしまいます」(指揮者の井上道義さん)

また、指揮者の仕事は、実際の演奏中よりも、その前の練習が重要だという。公演に向けての練習ですべてのパートにどんな音楽を奏でるのか指示を与えていく。このとき譜面には書かれていない作曲者の意図や楽曲の背景をどう解釈して、どう味つけしていくかが、指揮者の腕の見せどころだ。演奏者の理解力によっては、音の出し方や譜面の読み方まで指導する必要があるという。そのためにも、指揮者は一緒に楽器を演奏こそしないが、一定レベル以上の演奏技術に関する深い知識を身に付けておく必要がある。僕らが仕事のできない上司に口うるさく言われても、納得できないのと同じ理屈だ。そのほか、音楽に関する時代背景、音を正確に聴き取る耳、さらには演奏者それぞれのその場の気持ちを汲み取る感受性や語学力なども求められるという。これらを駆使して本番までに演奏を練り上げていくのだ。

「各自の能力を最大限に引き出し、ある理想に向かって導いていくのが、指揮者。演奏中も指示を与えると同時に、体から音を放射する気持ちで、文字通り体全体を使って音楽を表現しているんですよ」(同)

指揮者も演奏者。そういうことなのかも。


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