webコミックの書籍化が大ヒットの中で…

ネット発の“鉛筆マンガ”のコアな人気の秘密に迫る!

2007.09.28 FRI


左・YOKOさんのサイト(リンク参照)で閲覧できる『痴漢男』。そのマンガとしてのクォリティに脱帽! 右・現在大ヒット中の『となりの801ちゃん』(宙出版・刊) 画像協力/YOKO
ここ数年、かなり盛り上がっています、ネットを媒体とした「webコミック」。その多くは、マンガ家志望のアマチュアさんが自サイトで公開しているものが多いんですが、そんななか、面白い現象が起きています。

それが“鉛筆マンガ”の登場です。

そもそも一般的なマンガとは、鉛筆で下描き→ペン入れ→ベタ塗り→トーンや色づけなど、多くの工程を踏みます。しかし、この“鉛筆マンガ”は、鉛筆で描いたものをスキャン。画像ソフトで最低限の色付けしたものが最終形というスタイルです。この鉛筆マンガというジャンルで多くの名作がネットから登場しました。

たとえば2003年からネット上で連載され、後に書籍として発売された猫の家政婦マンガ『きょうの猫村さん』(マガジンハウス・刊)や、自分の彼女のオタクっぷりを描いた4コママンガ『となりの801ちゃん』などが有名です。同作も2006年に書籍化され、現在30万部(!)を突破するほどの人気。う~ん、鉛筆マンガ…侮れません!

「昔は、鉛筆で描いた線は印刷に出にくかったんですが、今は印刷技術も上がりましたからね。これからも鉛筆マンガは書籍化されていくと思いますよ」

と、いうのはマンガライターの大西祥平さん。鉛筆マンガの魅力とはいったいなんなんでしょう?

「もちろん、『ネットで自分が見つけた!』というインディーズ感もありますが、鉛筆マンガは、ペン入れという肯定を省くため、脳からの“想い”が、ダイレクトに出るんだと思います。荒々しいミスタッチすらも含めて、作家の味がすごく出る。昔からの漫画好きは『下描きだろ?』と批判するかもしれませんが、Webコミックのファンは、そういったところも含めて支持しているんじゃないでしょうか?」(同氏)

では、実際に鉛筆マンガを描いている作家さんは、どう考えているのか? 2ちゃんねる発のラブストーリー『痴漢男』を原作にWebコミックを発表した、現在注目をあびている鉛筆マンガ作家・YOKOさんにお聞きしました。

「鉛筆マンガの良さ…やっぱり、スピードが早いってことですかね。それにごまかしが利くところ(笑)。一番最初は、友人しか見てないと思って、ノートに描いてクラスの友達に見せるような感覚だったので、ワク線なんかも手書きのヘロヘロでしたが…今はカウンターも1000万を超えているので、ある程度のクオリティとスピードの両方を意識してますね」

鉛筆だからこその良さもあれば、逆をいえば、内容が面白くなければ見向きもされない。そんな“鉛筆マンガ”は、新しいマンガ文化になり得るかも?

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