著作権問題も内包してますが…

ニコニコ動画でメジャー化MAD動画の“MAD”って何?

2008.01.25 FRI


MADムービーには、アニメで同じ声優を担当するキャラのセリフを入れ替える「声優入れ替えネタ」や、映画のシーンに勝手にメチャクチャな字幕を入れる「字幕ネタ」、好きなシーンをつなぎ合わせて音楽を付ける「PVネタ」など、様々なジャンルがある イラスト/篠本634
2007年、ネット界の台風の目となった『ニコニコ動画』。様々な動画が毎日のようにアップされていますが、そんななかよく見かける“MAD”(マッド)という言葉。これは、既存のアニメをはじめとした動画や音声などを、著作者ではない個人が再編集したものをいい、「MADムービー」などと呼ばれています。

その内容は、いくつかのアニメを編集して、別のアニメのキャラクター同士を会話させたり、もとの映像のセリフを入れ替えて、別の物語にしてしまったりと様々。なかには、相当おもしろい作品も多いのですが、著作権の問題なんかが絡んでくることもあり、現在インターネット上ではいろんな意味で話題なのです。

ところでこの“MAD”ってどういう意味? アンダーグラウンドな動画に詳しい“人喰い”映像作家の酒徳ごうわくさんにお聞きしました。

「“MAD”は直訳すると、英語で『狂った・おかしな』という意味です。そもそも“MAD”の語源は、70年代後半にカセットテープの編集を家庭用の機材でできるようになったころに1番と2番の歌詞を入れ替えたりして、歌をおかしな内容に編集する人たちが現れた。そうして作られたテープは“MADテープ”と呼ばれ、大学のアニメサークルや、イベント、同人誌即売会などで広がっていきました。これが日本の“MAD”文化の始まりですね」

80年代半ばのビデオデッキの普及により“MAD”は、映像の世界にまで広がったそう。しかし当時は、ネットがなかったのでそこまで広がることもなく、個人レベルで楽しむものだった。現在のようにニコニコ動画などにアップされていくと、著作者としても目をつぶれない状態になっているのだ。…ってことは、近い将来、MAD文化はなくなってしまうんですか?

「ネット上で配信されているMAD動画には宣伝効果があると考えて、黙認している企業も一部ありますよ。例えば、アメリカの『ガイズ・ナイト』というパンクバンドが『ダイ・ハード』の1~3のイメージソングを作り、映画のシーンを使ったMAD動画を制作したんです。これをYouTubeにアップしたところ、かなりの話題となった。配給元の20世紀フォックスは、一度は削除を要請したものの、『ダイ・ハード4.0』の公開時にプロモーションになると考え、逆に『4作目用の歌詞を付け加えて、あらたに公開してほしい』とバンドに依頼した。このようなケースもあるので、一概にMAD=NGで、すべてがなくなるとも言い切れないでしょう」(同)

意外と長かったMADの歴史。再編集するという行為も“作品”と考えるならば、目を見張るレベルの作品が多いのも事実。いつか著作権問題をクリアして、ひとつの文化として定着する日もくるかも?

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