オタクは3世代に大別される!?

世代とともに移り変わるオタク文化の変遷を追ってみた!

2008.03.21 FRI


SFファンを主な起源とし、物心ついたころからアニメやマンガに慣れ親しんだ第1世代。先行世代のオタク系文化を引き継ぎ、ゲーム文化の誕生に居合わせた第2世代。そして、「萌え」に目覚めた第3世代へとオタクバトンは渡された イラスト:大黒秀一
「オタク」という言葉が生まれて四半世紀が経つ。正確に言えば、「おたく」という呼称がメディアで最初に使われたのが1983年のこと。実際には、のちにオタクと呼ばれる層は70年代後半には存在したといわれる。何と、オタクには実に30年以上の歴史があるのだ。ある特定の傾向を示す集団の呼称が、一過性のブームに終わらず、これほど長く定着しているのは前代未聞ッッ。ある意味、史上稀にみるトライブといえるだろう。

しかし、オタクとて一枚岩ではない。長い歴史があれば、世代的な違いが生まれるのは当然だ。ユニークなオタク評論で知られる東浩紀氏の分類によれば、オタクは60年前後生まれを中心とする『宇宙戦艦ヤマト』や『機動戦士ガンダム』を10代で見た第1世代、先行世代が作り上げた爛熟し、細分化したオタク系文化を10代で享受した70年前後生まれの第2世代、『エヴァンゲリオン』ブームの時に中高生だった80年前後生まれを中心とする第3世代に大別されるという。さらに、この3世代のあいだにディープな断層がひとつある。いわゆる「萌え」の理解だ。

「政治的なイデオロギーをはじめとする『大きな物語』が衰退していくなかで、オタク第1世代は育ちました。そこで彼らは、アニメやマンガといった虚構の世界に物語を求めた。それに対して、オタク第3世代は作品の物語や意味にさほど関心がないようです。「猫耳」や「メイド服」といった、集積された萌え要素のデータベースから組み合わされたキャラ設定に主な興味を向けている。この傾向は、90年代半ばからハッキリと分かれてきました。オタク第2世代は、物語重視とキャラ萌え重視の過渡期にあたります。人口も他の世代に比べて多く、まとまりはありませんが、知識欲は旺盛です。PCゲーム(主に美少女ゲーム)がオタク第3世代を席巻する以前、格闘ゲームブームなど、ゲーム文化を支えた世代でもあります」(東浩紀氏)

「萌え」を境界線とするならば、旧オタク世代は「作品は真剣に読み解くべきだ」とする立場、新オタク世代は「キャラと戯れるだけで良し」とする立場といえるかもしれない。物語よりもキャラや設定重視のオタク系文化であるライトノベルや美少女ゲームが新世代オタクに支持され、旧世代オタクに否定されているのは象徴的だ。

かつて、オタクは生き様だった。今では「萌え」が理解できればオタクであり、膨大なオタクコンテンツを自由に楽しむことができる。最近では、ニコニコ動画にみられるように、オタク系文化をネット上でネタ的に楽しむ層が広がりをみせている。時代とともにオタクも、オタク系文化も、その受け止め方も変化しているのだ。

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