子供のモノなんて思ってたら大間違い

大人ゴコロで読んでみたいあの“世界一の昆虫博士”の本

2008.05.08 THU



第一巻上より イラスト:見山博
『昆虫学的回想録』。このタイトルではピンと来る人は少ないかもしれないが、『ファーブル昆虫記』という邦題を聞けば覚えのない人はいないはず。その第1巻をファーブル博士が書き終えたのは1878年だから、今年は『ファーブル昆虫記』誕生から130周年! と、勝手に盛り上がったイキオイのまま、その魅力を集英社『完訳ファーブル昆虫記』編集長の吉良さんに聞いてみました。日本は「ファーブル好き」が特に多いと聞いているので、まずはその理由を。

「それは日本で初めて翻訳した、大杉栄(大正時代の無政府主義者)の功績かと。原題は『SOUVENIRS ENTOMOLOGIQUES』。直訳では『昆虫学的回想録』になりますが、『昆虫記』という日本人に受け入れられやすいタイトルにしたのが大きいでしょうね」

確かに『昆虫学的~』なんてタイトルはとっつきにくいですね!ってことは、原著は難しい本なんですか、意外。

「いえ、その内容は研究書としてはあまりに平易かつ、おもしろく書かれているため学者たちからは批判的な意見さえ出たほどでした。もっともファーブル自身はそんな声には耳も貸さなかったようですが(笑)」

おお、憧れのファーブル先生はやっぱりかっこいい仕事してるぜ。ただのムシ博士じゃなかったんですね!(当然)

「昆虫だけでなく、他にも菌類の研究をはじめ様々な功績を残しています。また、一生貧乏だったともいわれていますが、今も残る晩年の家を訪ねた時の印象は、私の感覚からいえば豪邸の部類に入る家でした。それに、63歳のときに23歳の女性と再婚するなど、いろいろな意味で精力的な人だったようです(笑)」

さて、宝物として大事にしてた子供版のフンコロガシの巻を横に置いて感慨にひたりつつ、大人だから『完訳ファーブル昆虫記』第1巻を通読してみた。うむ。博士の観察力、探究心はビジネスの上でも学べることがありそう。なんてムシのいい話で締める必要もないですね。単に面白い!


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