話題作が続く将棋マンガの異色作!

『ハチワンダイバー』の超絶将棋ワールドに潜れ!

2008.05.08 THU

将棋マンガが、いま注目を集めている。今月3日からフジテレビ系でドラマ化されている『ハチワンダイバー』(柴田ヨクサル・作)ほか、04年から連載され、すでにアニメ化もされた『しおんの王』(かとりまさる・原作、安藤慈朗・漫画)、『ハチミツとクローバー』で人気を博した羽海野チカの青年誌初挑戦作『三月のライオン』と、将棋マンガの話題作が次々と登場している。いずれも、監修にプロの棋士を起用、作中に「ホンモノの将棋」を登場させているのだが、なかでも『ハチワンダイバー』は、奇妙なパワーでこの渦の中心にいる作品なのだ。

物語は、プロ棋士を目指し挫折した青年・菅田が街のアマチュア棋士相手に賭け将棋で日銭を稼ぐ「真剣師」としての生活のなかで、本当に「真剣」になれる相手との勝負を繰り返していくというもの。主人公・菅田はともかく、次々と現れるキャラクターたちは、なぜかメイド姿のヒロインやホームレスの師匠をはじめ、ぶっ飛んだ連中ばかりだが、「勝負」には命を懸けている。はじめて手にとった人は、きっと「なんじゃこりゃ!」と驚くことと思う。極端に大きな文字で書かれたセリフ、むやみに暑苦しく緊迫した雰囲気。そもそも『ハチワンダイバー』という奇妙なタイトルからして、81コマある将棋の盤面に「潜る」という主人公の独特の感覚を指している。そう、主人公はただ「将棋を指す」のではなく、いつしか将棋という勝負の空間にすっかり没入してしまうのだ。その空間はひどく抽象的で、SF映画の電脳空間のようですらある。考えてみれば、将棋は規則に沿って駒を動かす数学的なゲームなので当たり前なのだが、どうにもクラクラする。昨年、『このマンガがすごい!オトコ編』『このマンガを読め!』でそれぞれ第1位、第2位を獲得したのも、このマンガでしかなしえない迫力のためだろう。

現在、将棋の競技人口は減少の一途だという。この熱いマンガの力は、そんな状況に風穴を開けるかもしれない。


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