発祥はエジプト貴族の優雅な遊び?

滋賀県彦根地方だけに伝わるゲーム「カロム」の謎に迫った!

2008.07.18 FRI


これが日本のカロム盤。彦根市で開催された全国大会で、決勝戦でのみ使用された金箔塗りの豪華版だ。昭和30年代には全国に広まったものの、現在はほぼ彦根エリアのみに残されるまだまだ謎の多いゲームである
おはじき? ビリヤード? 盤上で駒を指ではじいて得点を競うゲーム、「カロム」の全国大会が先ごろ滋賀県で開催され、約500人が熱戦を繰り広げた。このカロムは、現在なぜか同県・彦根地方でのみプレイされているという、ちょっと不思議なゲームだ。

ルールはゲームの種別によって異なるが、基本的には2人ずつペアを組んで対戦し、盤上に並べた24個のパックに「ストライカー」と呼ぶ手玉をはじいてぶつけ、四隅のポケットに落としていく。その魅力をプレイ経験者に聞いてみた。

「将棋や囲碁などと違ってルールが簡単なので、年齢や性別にかかわらず会話を楽しみながら遊べます。皆、歓声をあげながらプレイしているので、通りすがりの方が見物にやってきて、そのまま『自分にもやれそうだ』と一緒にプレイしていかれることもよくありますよ。体の不自由な方でもプレイしやすいので、福祉施設でのレクリエーションや高齢者向けの地域行事などを通じて発展してきました」(ぎふ長良川カロムクラブ・服部さん)

福祉活動にも役立つとあり、最近では周辺地域へも飛び火しつつあるようだが、滋賀県彦根市ではカロム盤をほぼ一家に1台所有しているというほどの定番ゲーム。そのルーツは一体何だろう?

じつは、カロムの発祥については資料が極端に少なく、判明している事実はほとんどないというからミステリアス。なぜ彦根地方に限ってこれほど盛んなのかも含め、現在も愛好家を中心に鋭意研究が進められている。一般的には12世紀前後にエジプトで生まれ、数世紀をかけて世界中へ広まったとされ、日本には明治末期に外国人宣教師が持ち込んだという説が有力なようだ。

「外国人留学生との国際交流の場でカロムを行った際、インドネシアの子どもが『自分の国にもこのゲームあるよ』と、自国のルールを教えてくれたりもしました。エジプトの貴族が優雅に遊んだであろうゲームが、世界各地で現存している点は興味深いですね」(同・服部さん)

実際、カナダでは「クロッキン・クール」、中国では「康楽棋」など、ルールや道具は微妙に異なるが、カロムと根を同じくするであろうゲームは世界に多い。世界的にメジャーなビリヤードにしても、「キャロム」という種類の競技が存在し、何らかの関連性が指摘されている。

目覚ましい進化を続けるTVゲームもいいけど、たまにはこんな伝統ある遊戯でプレイヤー同士のふれあいを楽しむのもいいかも!

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