なぜ青年は荒野に散ったのか…

心揺さぶる実話を映画化『イントゥ・ザ・ワイルド』

2008.09.04 THU

92年、アメリカの東海岸に暮らす裕福な一家に育った成績優秀な青年が、アラスカの荒野で餓死しているのが発見された。当時全米で最大の関心事となった青年の死の謎を綿密に追跡取材して著したノンフィクション『荒野へ』をもとに、ショーン・ペン監督が10年以上の歳月をかけ映画化したのが『イントゥ・ザ・ ワイルド』だ!

ワシントンDC郊外の高級住宅地で育った主人公のクリス・マッカンドレスは、将来を約束されたエリート・コースにいながらある日すべてを捨てて家を出る。ヒッチハイクや野宿をしながら旅を続ける彼の最終目的地は、アメリカ最北の地・アラスカ。だが、荒野で究極の孤独と向き合い自己再生を図るクリスを、大自然は容赦なく死の罠へと誘いこんでいく。

物質社会から逃れ、貯金や車、名前さえも捨てて最大限の自由を謳歌しようとするクリスは世間知らずの青臭い若者に見えるかもしれない。だが、裕福で偽善的な両親から彼が幼いころより受けた重圧と束縛には、多少なりとも共感できる人は多いハズ。そんな閉塞感から逃れようと旅に出たクリスは、ヒッチハイクをしながら様々な人々と出会ううち、彼本来の穏やかな人柄を取り戻していく。

この映画に感動し、共鳴した『地球の歩き方』編集長の小坂伸一さんはこう語る。

「クリスは旅先でいろんな人から様々な厚意や愛をもらって人間的に成長します。だから、旅の最後には自分を振り返る余裕もできて、両親のことも許せていたんじゃないかと思うんです。けれど彼が人との触れ合いや家族の大事さを痛感した時にはもう手遅れで、死ぬ瞬間に彼が見たのは抜けるような青い空なんですよね。胸を締めつけられながらも、不思議に清々しい印象を残す感動作だと思います」

美しい開放的な大自然の中で、短いながらも自分らしさを貫き通し、人生を力強く歩んだクリス。この映画を観たら、アナタもきっと旅に出たくなる!


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