万が一のためのファッション講座

第2回 パンツに“イン”したシャツの印象って?

2009.02.13 FRI

万が一のためのファッション講座

シャツインって、そもそもアリなんですか?



毎日のスーツはいいけれど、休日のオシャレがボクらの永遠の課題。そんなとき街で目にしたのが、フツーのシャツに、フツーのジーンズをはいている人。かっこいい。しかも、シャツをパンツにインしてる。学生時代、体操服を外に出して着ている方がかっこいとされたボクの価値観からすると、不思議なのです。でも、かっこいい。なぜ?

シャツをパンツにインするスタイル、つまりタックイン。スーツを着ているときのドレスシャツは当然インしますが、休日のカジュアルシャツをインするのって、難しくないですか? そもそもタックインってモテるのか? まずはそこんところから周囲の女子にリサーチしてみました!

「姉の彼氏を紹介されたとき、彼がシャツをインしていたのを見て、とてもとても安心しました。悪い人じゃないと思えました」(30歳・事務)。「基本的には好きです。でもかっこよく着こなしている人は少ないですね」(26歳・メーカー勤務)。

これらの意見を含め、おおむね好印象でした。それと同時に、理想の高い、難しいスタイルであるという事実も浮き彫りに。そして少数ながら厳しい反対意見もありました。

「カジュアルなのに、スーツと同じ感覚でインしている勘違いな人ばかり。もう少し工夫してほしいですね」(31歳・販売)。「素敵なタックインを見たことがありません。昔、合コンでTシャツをインしている金融系の人がいて、さすがに引きました」(27歳・エステティシャン)。

さすが女子の目線は厳しいです。だけど、とりあえず多くの女性がタックインに好印象を持っていることがわかっただけでも、少しハードルが下がりました。
シャツは入れてイイ、というお墨付きをもらったので、早速家にあったジーンズとシャツでタックインにチャレンジしてみました。いつもは出しているシャツを入れてみるだけで、あら不思議。ちょっと大人になった気もするし、“しっかり感”が違います。ウン、なんの抵抗もない。
それにしても、スーツではシャツを入れる。これ絶対。ってことは、そもそもシャツって入れるものですか? 出すものですか?

「それに答えるには、シャツの歴史を知るとわかりやすいです。シャツは古代ローマからあったといわれています。当時は頭から被るチュニックのような形だったらしいですが、だんだんと変化していきました。現代の形に近くなったのは19世紀。折り襟が付けられたのもこのころです。そして、元来シャツとは下着に分類されるものでした。19世紀のヨーロッパには今のような下着ってなかったんですよ。シャツの裾の前と後ろを、股の下で、ボタンで留めていたんです。それが下着だったようです。つまりシャツとは元来、タックインするものなんです」

そう教えてくれたのは、若手俳優のスタイリングやR25本誌のファッションページでも活躍してくれるスタイリストの中村 剛さん。でもそれなら、なぜシャツを入れることの方が特別なスタイルなんでしょうか?

「正しいシャツの着こなしは、さきほども言ったとおり、パンツに入れるべきです。シャツが下着であったと考えると、下着を出して歩いているようなものですから(笑)。昔は、『シャツをキチンと入れなさい』と母親に言われましたよね。それが80年代ごろから、外に出すことが一般的になってきたんです。シャツを入れる=きちっとしているという図式へのカウンターでしょうね。シャツイン=ダサイとまでなってしまいました。それが2000年代になって、男性のファッションシーンも多様化し、オシャレにタックインできるアイテムや着こなしが普及して、どちらのスタイルもアリになったんです」

なるほど。確かに、いま30歳以上の人は、子供のころ、怒られた記憶があるかもしれません。おなかが冷えるから入れなさいと(笑)。シャツを入れることが正解であるならば、これからもシャツをインするスタイルでいきたいと思います。なんか、落ち着くし(笑)。

野暮じゃなくて恥ずかしくない、 タックインの仕方を教わりました!



オフの日。カジュアルなシャツをかっこよくインして、サラリとジャケットでも羽織って、お出かけしたいものです。でもシャツをインすると、なぜかパパスタイルになってしまうんですけど。なんでスッとしないの? かっこよくタックイン(シャツをインすること)するには、なんかコツがあるんですか? 若手俳優のスタイリングやR25本誌のファッションページでも活躍してくれる、スタイリストの中村剛さんにお話を聞きました。
上のグリーンシャツは、ラウンドしているけど浅く、サイドの飾りデザインも外に出す用のシャツ。それに比べて下のブルーシャツは、ラウンドも深く、インするのに適している。自分が持っているシャツの裾を眺めてみると、いろいろな形があることに気がつきます。
「ボクも、普段着のカジュアルシャツを着るときは、ほとんどインです。個人的なルールとしては、春先などにアウターとしてシャツを着る場合は出しますが、ジャケットなどのインナーとして着る場合は、必ずインです。あと、入れていいシャツと、入れてはダメなシャツがあります。自分が持っているシャツの裾をよく見てください。毎日スーツで着ているドレスシャツは、裾が水平ではなくラウンドしていますよね。これはパンツにインしたときに、裾がまくりあがらない工夫です。つまりシャツイン用。ラフな感じでシャツを出しているのはいいけど、裾がラウンドしているシャツを出していると、長くてだらしない印象になってしまいます。それならば、潔くシャツインしている方がいいと。反対に、裾がまっすぐ水平で短めな丈のシャツ。これはパンツに入れてもすぐに裾が出てしまいます。タックイン用ではないので、外に出して着ましょう」

まずは、シャツにインしていいシャツと、そうではないシャツがあるんですね。でも、ラウンドしているシャツをインして着ていても、どうもうまくいかないんですが、着こなしのコツはありますか?

「まずはサイジングです。ジャケットやブルゾンを上に着ているときは、サイズをごまかせますが、1枚で着るときはサイズ命。細身でジャストサイズのシャツを選びます。ボクがよくやるコツとしては、シャツをきっちり入れたあとに、軽く伸びをするんです。こうすると腰回りにいい感じのクッションができます。きっちり入りすぎていると、かたい雰囲気になってしまうので」

おぉ、プロのテク。なんかいい感じになりそうです(笑)。着こなしはわかったんですが、さらに一歩オシャレになるために、コーディネートのサンプルを教えてください!

「誰でも持っていると思うので、ブルーデニムからコーディネートしてみるのはどうでしょうか。ただしジャストサイズのものを。それにブルーのオックスフォード(アメリカントラッドに欠かせない生地。カジュアルなシャツによく使われる)のボタンダウンシャツ。青系のワントーンでまとめて、茶色のベルトとシューズでポイントを作る。これってトラッドスタイルの定番なんですよね」

はい、持ってます! ジャストサイズのブルーデニム。とりあえず、身の回りのアイテムと伸びを活用しタックインを実践してみました。普段、シャツは99%アウトしているボクが、いきなりタックインして自分の事務所に行ったんですが、誰からも反応がありません(涙)。でもダサいとも言われませんでしたよ。ここはひとつ前向きに、違和感ナシと受け取っておきましょう。なんだか不思議な安心感もありました。下半身が守られているような(笑)。

みなさんもこれからは、お出かけ前のコーディネートに、タックインという選択肢を入れてみてはどうですか? タックイン後にモテるかどうかの実地検証は
個人的にまだまだ続ていこうと思いますが、
もうタックインに病みつきです。

なんだか大人な気分になれるし、
思い切って星付きのレストランにでも行ってみたいと思います。

さて、次回はファッション番外編、
男のメイクにせまります。

まゆげを整えるメンズが一般化するなか、
どこまでメイクが許されるのか?
禁断の果実をとりに行くような気がして
いまからドキドキです。

まだまだファッションに対する疑問や感想を受け付けていますので、
お気軽に、ジャンジャンお便りください!

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