万が一のためのファッション講座

第3回 メイクって男がしてもいいモノなの?

2009.02.27 FRI

万が一のためのファッション講座


数少ないメンズコスメを展開しているブランド、Jean Paul Gaultier(ジャン・ポール・ゴルチェ)のパウダーブロンザー。顔を引き締め、健康的で自然なブロンズ肌を演出してくれる。秦さんオススメの一品です。

男のメイクって、 どこまでなら許される?



疲れているとき、打ち合わせに行って、「寝起き?」と言われたことがあります。いつも思うんです、「あぁ、このクマやニキビを隠すことはできないものだろうか」と。女性はあれやこれやのメイクテクを駆使してシミやシワなどを隠すことができますが、男性だって、ナチュラルにアラを隠したいと思うんです。メンズコスメを多数扱っているトレンドコスメ.comという通販サイトを運営し、自身もメイクアップ・アーティストの秦みさこさんに聞きました。そもそもメンズメイクの現状ってどうなんですか?

「男女問わず、コスメはスキンケアとメイクアップに分けられます。メンズのスキンケアコスメは、いろいろなメーカーが参入していて市場もすごく伸びていますが、いわゆるお化粧するメイクアップコスメは日本ではほとんど見あたりませんね。ニューヨークやロサンジェルスのコスメティックサロンでは、10年くらい前から男性のメイクアップ・アーティストが増えてきていたんですよ。彼らはもちろん自分でもメイクしていました。メトロセクシャルという、都会的で洗練された男性のライフスタイルが注目されはじめたころで、そのころから、だんだんとメンズメイクが広まってきました」

オシャレなニューヨーカーやハリウッドセレブたちのあいだでは認知されつつあるようですが、日本人の一般の男性でメイクしている人っているんですか?

「実は、うちの通販サイトのお客様は、3~4割が男性なんです。街では、すごくがんばってメイクしている若い子は、たまにいますね。ただ彼らにとってはファッション的な遊び感覚。言われないと気がつかれないくらいナチュラルで洗練されたメイクをしている人は、まだ数人しか見かけたことはありません」

なるほど。まだ男性でうまくメイクできる人は少ないようですね。そもそも、男性がメイクをする必要性ってあるんですか?

「10代より、20~40代のバリバリ仕事をしている人にメイクして欲しいんです。例えば、仕事で人に会わなければいけないけど、顔色がくすんで見える、二日酔いが残っている、睡眠不足で目の下にクマができているとか。日本人はやはり青白く見える人が多いので、元気じゃなさそうに見えがちなんです。そこでオススメなのがブロンザーというフェイスパウダー。肌を小麦色にするもので、油分が少なく、サラッとしています。すごく健康的に見えるんですよ。西海岸からきたもので、ハリウッドセレブたちの小麦色の肌がお手本になっているんですね」

確かに、本日のボクの顔も夜中まで原稿を書いていたため、現在クマたっぷりです。

「目の下は、年齢に関係なく疲れが出やすいんです。うちのサイトでも、アイジェルやコンシーラーなど、目の疲れをケアする商品が、男性にも人気ですよ」

やはり、男性でも、目の下の疲れは気になるところ。よくよく考えたら、こんな顔で取材にくるなんて失礼な話。メイクは身だしなみの一部という考え方にもなりそうですね。

「メイクすると、居酒屋に行ってもおしぼりで顔をゴシゴシできません。つまり、ある程度の緊張感が出てくるんです。洗顔して、歯磨きをして、ひげを剃って、髪をセットする。その延長がメイクアップです。鏡に向かって、ブロンザーをつけてみるとオレもいけると思える。その工程をひとつ入れるだけで意識が変わって、自信が出てくる。男性にはまだわからないかもしれないけど、女性はメイクアップでそうやってハッピーになれるんです。それを男性が使わない手はないですよね。男同士で飲みに行くときは肩の力を抜いていいと思います。でも、肩の力を入れたいときってあるじゃないですか。決めたいときのデートなど、まさにお出かけのとき、日常よりちょっとがんばりたい。そういうときに、メイクアップっていうのは力をくれるんです」

メイクは、ただ顔を作るにあらず。女性は、そんな気持ちで毎日メイクをしていたんですね。確かに女性だけに楽しませておくのはもったいない。偉い人に取材するときや、担当編集に企画を通したいとき、クマくらいはなんとか目立たないようにして、健康的なビジュアルで臨もうと思います!
今回使用したローラメルシエの化粧品たち。きちんと揃えようとすると、やはりいろいろと必要ですが、うまく彼女のアイテムを駆使しましょう(笑)

どこまでナチュラルに仕上がるか!? メイクしちゃいました!



男性といえども三十路も過ぎると、お肌が気になるんです。不摂生をしているので、目の下のクマが一時的なものではなくなってきました。でもぼくだって隠したい! 男性だって隠したい! 男子中高生がまゆ毛を整えるのが当たり前になるなか、メンズメイクも少しずつ広まっているらしい。デパートの化粧品売り場で、美容部員にメイクされている男性を見たことがあります。ボクもメイクをしてみたいけど、男性向け化粧品ってあまり見かけたことがありません。

「たまにうまくナチュラルにメイクしている人も見かけますが、たぶん彼女とかに借りたりした、女性用の化粧品を使っていると思いますよ。男性用化粧品はまだあまり市場に出ていませんからね。一部の海外モノだけです」

と教えてくれたのは、ローラ・メルシエのメイクアップ・アーティストの吉本昌史さん。きれいで自然な肌感を生み出すことには定評のある、女性に人気のブランドです。そんなブランドなら、クマやニキビ跡をどうにかしつつ、ナチュラルメイクできるかもしれない! ということで、男性向けメイク講座を開いてくれました。
ビフォー・アフターをご覧ください。どちらがアフターかわかりますか?右がビフォー、左がアフターです。 わかりやすくはないですが、肌の質感はなめらか。そしてナチュラル。いつも会っている人にすら、なかなか気がつかれないし、街を歩いている分には、まったく違和感ナシです。筆者、テレ屋のため、顔隠します。悪しからず。
顔を拭く(家では、普通に洗顔)

化粧水をコットンでたたくように

目元用美容液を塗り、くすみをおさえる

下地で凹凸をなくし、なめらかにする

ファンデーションを塗る。
女性が通常使う1/3程度の少量

ファンデーションと混ぜたコンシーラーで、クマやニキビ跡を隠す

パウダーをブラシで軽く振る

まゆ毛用ジェルで、
まゆ毛の毛先を上向きに整える

どうですか。ビフォー・アフターをご覧ください。ボク、きれいです。間違いなく肌の質感はきれいになりました。クマなんて全然目立たないし、ずっとともに過ごしてきた右頬のニキビ跡がどこかへ消えました。すっきり健康的! しかも街を歩いている分には、メイクをしているなんてまったく気づかれないナチュラル感です。誰もボクの顔に違和感を持っていません(当たり前)。メイクってもっと、顔にのっている感じと思っていましたが、自分的にも自然でびっくり。

今回はすべて女性用の化粧品を使用したわけですが、男性と女性のメイクの違いはありますか?

「男性は皮脂の分泌が多いので、ファンデーションも、パウダーも油分が少なくツヤが出ないものを使いました。そして健康的に見えるように、若干黒めを使いました。男性にはわからないかもしれませんが、今回はごく簡単なことしかしていません。家でも簡単にできますよ。女性はここから、さらに3倍くらいの時間がかかりますから(笑)」

この後、メイクしてもらった表参道付近から、山手線の原宿駅まで歩き、電車にも乗りました。そして、ボクのことをよく知っている女性3人に、メイクしていることはまったく言わずに会ってみました。結果、ふたりはまったく気がつかず。告白してから、「確かに、肌がきれい」という反応。ひとりは、「何かおかしいな」と思っていたようですが、それをつっこむほどでもなく。そのくらいナチュラルメイクみたいです。

メイクしていると思われるのは、まだ恥ずかしいので、自然かどうかが勝負どころ。こんなにナチュラルにできるなら、ここぞというときは、メイクしてみるのもいいかもしれません。 メイクすることは、ただ顔をきれいにするという行為ではなく、
何かに向けてのスイッチとしての役割があることを
今回の取材で学びました。

女性はそうやって、自分のテンションをあげたり、
自信をつけたりしているようです。
これは男性にもいえることなので、
これからはファッションだけじゃなく
メイクという手段も活用していきたいと思います。

メイク後、そのまま食事に行って、
紙ナプキンで肌をこすってみたら、ファンデがとれました。
なぜだか、ちょっとうれしかった。
あぁ、化粧しているんだな~、って実感(笑)。

さて、次回以降に控えているネタは、
やってきました、合コンファッション。
そしてパンツ(下着)!

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