男を磨くカルチャー入門

第5回 古典には恋愛のイロハがいっぱい?

2009.03.05 THU

男を磨くカルチャー入門


イラスト/腹肉ツヤ子 日本古典人(?)きってのプレイボーイ・光源氏。ロリコンで熟女好きで、浮気や不倫はもちろん、結構強引なプレイもしちゃってます。大塚ひかりさんの『源氏物語』なら、Hなポイントに詳しい解説があるので、かなり楽しめるはず

知識と想像力でエロさ倍増!? R25的『源氏物語』の読み解き方



2008年は、『源氏物語』が記録として確認できてからちょうど1000年の年。昨年は源氏物語関連の番組やイベントなども多かったので、気になっていた人もいるのでは? 実は私も、これをきっかけに読破しよう、と思いたったのです。でも、学生時代の古典の授業では寝ちゃってた気が。ここはひとつ、楽しみ方を教えてもらいましょう! というわけで、『面白いほどよくわかる源氏物語』などの著書を持ち、現在も『源氏物語』の現代語訳を刊行中の大塚ひかりさんに聞いてきました。

文学としての源氏物語の魅力って、どんなところでしょう?

「源氏物語は、人の幸せとは何かを追求した物語。男性なら、モテモテの光源氏が年をとって出世したにもかかわらず、モテなくなっていく様が面白いかもしれません。女性なら、光源氏と浮き名を流す姫君たちに感情移入して読むのもいいでしょう。平安時代のお話だという先入観を捨てて読みこめば、仕事についての考え方や恋愛観、結婚観など、現代に通じる感情や悩みが驚くほど多いことを感じ取れるはず。もちろん、1000年前の貴族の性風俗も楽しめるポイントです」

えーっ、となると私は、学校でエロい本について学んでたってことですか!? いったい源氏物語のどのあたりがエロいんでしょう?

「自分の娘を皇太子や天皇とセックスさせて、産まれた子どもが天皇になれば一族繁栄! というのが、平安貴族の一般的な考え方。セックス政治といってもいいほど性愛と政治の話はイコールの関係だったようで、全編そんな話ばかりです。ただし、現代人にわかるようなダイレクトな性愛描写はほとんどないので、知識と想像力を駆使することが必要。随所に漂う要素を読み解くことでやっと理解できる、ハードルの高いエロさがいいんですよ」(同)

それは難易度の高いこと。では、どんな部分に注意すれば、そのにじみ出るエロさを味わえますか?

「宿や戸など何かが入るモノや、貝のように形がそれらしいモノは、女性や女性器の暗示。逆に、何かに入るモノや、玉や立つなどの単語が出てくれば、男性や男性器の暗示なので、その前後に注意してください。また、何気ない表現にも油断せず、想像力を働かせることが大事。例えば光源氏が18歳のころを描いた『若紫』の帖では、光源氏がまだ幼い紫の上(後に事実上の正妻になる)を連れてきて、『単衣ばかりを押しくくみ』という表現があります。これを訳すと『下着一枚だけをくるむように着せる』という意味に。それまで紫の上が裸だったことがわかれば、何かあったと想像するのが自然ですよね?」(同)

なるほど、そんな一文にもエロが!! 全編にちりばめられたHな要素を理解できれば、相当な内容になりそうです。

古典だと思ってかしこまらず、1000年前の日本人の恋愛事情をのぞき見るつもりで挑めば、もっと気軽に楽しめるのかも!
直してもらった短歌を、勇んで意中の男子に送ってみました! が、いまだ返信はありません…。現代でも、ちょっとくらいお高くとまった女子の方が受けるってコト?

現代でも「短歌」で異性を落とすことができる?



学生時代、古典でサラッと学んだ覚えのある「短歌」。「5・7・5・7・7」の31文字で思想や美しい景色を日記のように詠むこともあれば、熱い恋心をしたためて、意中の異性に贈ることも。昔の高貴な人々にとって、短歌を含む「和歌」はどんな存在だったんでしょう? 『源氏物語』の現代語訳を刊行中の大塚ひかりさんに聞きました!

「源氏物語が書かれた平安時代では、恋文と和歌はセット。つまり和歌は、恋の必須アイテムでした。ただし、現代のように女から男に好意を示すのはご法度。あくまで男がアプローチをし、女は再三贈られてきた和歌に対して3通に1回くらい返事をするのがよしとされていたようです。返歌はせずたった一言で返したり、わざわざ墨を薄くして読みにくくして気を引く、なんて手もあったとか」

へぇ、昔のお姫様は随分お高くとまってたんですね。でも、今は恋においても男女平等の世の中。女子も男子も、気になる異性には自分からアプローチしたいです!! 『恋する肉体』などの著書を持つ歌人・川上史津子さん、短歌でアプローチする方法を教えて!

「私は普段、印象に強く残ったことを短歌にしています。以前、ボーイフレンドとのセックスがあまりにステキだったので、感想を短歌にして贈ったのですが、恥ずかしがって読んでくれませんでした(苦笑)。なので、短歌を異性へのアプローチとして使うなら、あまり直接的なことは書かないこと。あなたに好意を持っていますということだけ、ほんのり伝えたらいいと思いますよ」

なるほど、読む人の気持ちを考えなきゃいけないのは、手紙やメールと同じですね。というわけで、いきなり実践! 気になる男子に短歌を詠んだので、添削してください!!

「また誘う」
今日か明日かと
待ちわびて
携帯電話と
シャワーを浴びる
(オオタカ作)

いかがでしょう??

「待ちわびてという言葉のチョイスが、切ない感じでいいですね。でも今日か明日かと意味が重なるので、その文字数は他の描写に使いましょう。また誘うは、男性のセリフだと思いますが、初見でわかりづらいのが難点。携帯電話と~以下も、電話を取り損ねたくないというガッツは表れていますが、携帯が壊れそうで心配」(川上さん)

なるほど、私の短歌はちょっと必死に待ちすぎでしたね。ということで、川上さんが直してくれたのが以下の短歌。

特別の
着信音を
待ちわびて
防水ケータイ
持ってお風呂に
(川上さん作)

どうです? なんだかグッとかわいい感じになったと思いませんか? 短歌にすることで、知性も匂わせることができた気がします。

みなさんも、どうしても伝えたい思いを、一度短歌に託してみてはいかが? 男なら、3回振られてもめげないくらいの気概が大事ですよ! 苦手意識のある人も多いと思われる「古典」を
R25世代が楽しく読む方法をお伝えした今回の記事。

まさか、古典の随所にあんなエロ要素があったとは。
思わず高校時代の教科書を持ち出して、
玉やら貝やら探してしまいました。
(たくさん見つかりました!)

当然よくわからなかった「短歌」も、
恋の必須アイテムとあれば、話は別。
本気で3時間くらい悩んで詠みました。
かなり添削されてしまいましたが(苦笑)。

古典の肝は、書き手は匂わせ、読み手は察すること。
これは短歌にも共通していえることのようです。
日々の生活ではダイレクトな言葉のやり取りばかりですが、
たまには推して量る世界に身を投じてみるのも楽しいかも。
そんな気持ちになった、「古典」レポートです。

皆さんからの「応援短歌」、お待ちしてます!
「こんなカルチャーが知りたい」というご意見ご要望も、
どしどしお寄せくださいね!

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