秋葉原文化考

第7回 “ラジオ会館”は秋葉原の縮図だった!?

2009.03.26 THU

秋葉原文化考

---------
私も去年の夏、フランス人旅行者たちを連れて
秋葉原のツアーに参加しました。

私自身、あまり秋葉原にいいイメージを持っていなかったのですが、
いろいろ説明していただいて、
見て学ぶところがとても多かったです。

旅行者たちにも何もかもが新鮮だったようですし、
私自身も、新鮮で昔懐かしいガチャポンなどのお店を
拝見できて本当に良かったです。

この文化をもっとポジティブに、
日本全国に、そして世界に発信できたらなと思います。
---------

投稿者:teddyさん(神奈川県/23歳/男性)

実際に街を訪れて解説を受け、
秋葉原のイメージがよくなられたということで、
とてもうれしいです。

昔懐かしいものから、未来的なほどに新しいものまで
見られるのが秋葉原のいいところですよね。

今回は、40年以上前から秋葉原で営業を続ける
ラジオ会館について調べてきました。

アキバの顔でもあるこのラジオ会館、
一体どんな施設なんでしょ?
秋葉原駅電気街口を出たところにある「ラジオ会館」。1Fはアキバ土産も多く扱うホビーショップのコトブキヤ。8階建ての高いビルですが、中はディープです

秋葉原の“ぬし”的存在?「ラジオ会館」の歴史を知る



JR秋葉原駅電気街口を降りて、中央通りに向かう左側。黄色に赤字のド派手なネオンが光っています。どーんと横たわるその看板に光るのは「世界のラジオ会館 秋葉原」の文字。これが、1962年から営業を続けるショッピングセンタービル「秋葉原ラジオ会館」です。

なんとなく低い建物のように感じますが、中は8階建ての立派なビルディング。1階にはホビーショップのコトブキヤや、レンタルショーケースのお店・アストップがあり、4階には高い技術力を誇るフィギュア製作集団・海洋堂のショップがあり、そのほかにもオタク系本屋や輸入DVDショップ、ドールショップなど、オタクビルの様相を呈しています。

フィギュア・無線・マンガ・模型・ドール・etc、ひと回りするだけで、まるで秋葉原を全部見て回ったような、かなりディープな世界を体験でき、満足感のあるビルなんですが、そもそも、この建物は昔からこうだったのでしょうか? 『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』の著者・森川嘉一郎さんにお聞きしました。

「いえ、ラジオ会館には、1998年までは漫画やフィギュアなどのいわゆるオタク系の店は全く入っていませんでした。1~3Fは家電店、4Fはオーディオ店、5F以上はパソコンと、あたかも電気街の歴代主力商品が地層のように重なったようなビルだったのです。7Fには、日本初のパソコンショップともいえるNEC-Bit INNがあり、そこはソフトバンクの孫正義氏やアスキーの西和彦氏など、黎明期のパソコン業界を支えた方たちが若いころに足繁く通ったサロンでもありました。しかし1998年以降、ラジオ会館のフロア構成は急激に塗り替えられていきます。電器店が次々と店舗を縮小したり閉めたりする一方で、空いたスペースを埋めるように、漫画やフィギュアの専門店が入ってきたのです」

電気街・秋葉原の駅前という一等地にふさわしく、昔は電器店やオーディオ店が中心でした。しかし90年代末から2000年代初頭、地図が塗り替えられるように、オタク系ショップが入ってきて様子が変わっていったのだそう。その時期は秋葉原全体が家電の街からオタクの街へと変貌を遂げつつある時期でした。ラジオ会館のテナントが変わっていくように、秋葉原も変わっていった。そういった意味でも、ラジオ会館は秋葉原という街の縮図だったんですねえ。
ラジオ会館4Fの海洋堂ショップ。入り口付近には、等身大のケンシロウ人形が立ちはだかっている。近くで見るとものすごい迫力で、こいつにはケンカしても勝てねー…という気分になります。あべし!

技術力は世界随一?「海洋堂」のスゴさの秘密とは



ラジオ会館4階にあるフィギュアショップ「海洋堂」。等身大の『北斗の拳』主人公・ケンシロウの人形や、『新世紀エヴァンゲリオン』綾波レイの人形が飾られ、訪れる者に大きなインパクトを与えています。

海洋堂はフィギュア業界では有名な、フィギュア製作会社なんですが、一体海洋堂のなにがすごいんでしょう? 『海洋堂マニアックス オマケフィギュアブームを生み出した「世界最狂造形集団」の功罪』の著者・あさのまさひこさんに聞きました。

「以前から、フィギュアマニアなどのあいだでは、その高い技術力から海洋堂の名前は有名でしたが、それが割と一般のあいだでも有名になったのは、チョコエッグなどの食玩ブームのころです。せいぜい数百円のお菓子のオマケなのに、非常に精巧な動物のフィギュアがついてきたというこの商品は大ブームとなり、テレビなどのメディアでも大きく取り上げられました」

お菓子やドリンクのオマケ食玩ブームの火付け役、という紹介の仕方が最もわかりやすいかもしれません。海洋堂がブームの火付け役になれたのは、中国工場をうまく利用した、低コストで高いクオリティの商品を作り出すことができたからだそう。

「海洋堂の人たちは、製品に対してものすごく高い理想を持っています。中国工場での生産は、それまで誰もやっていなかっただけに、言葉の壁から技術的なトラブルまで、様々な問題が起こりました。しかしそれでも、高い理想をあきらめなかったことが、結果的に成功に結びつきました。動物や美術品などのミニチュア(フィギュア)を作らせたら、その技術力は他の追随を許しませんね。それもこれも、彼らはただ作りたいものを作り続けている、いい意味で子供の集団だからなんです。やはり、その純粋な情熱こそが高いクオリティの商品を生み出す根源でしょうね」

なんでも、大英博物館のお土産屋さんにも海洋堂製の展示物のミニチュアを納品していたりと、その技術力は世界でも評価されているのだとか。

そこでさっそく実際にラジオ会館のお店へ向かい、改めてショーウインドウに飾られているフィギュアなどの展示物を眺めてきました。いまや、ずいぶん手に入れにくくなってしまったチョコエッグのオマケの数々や、『もやしもん』のキャラクターのフィギュアなどが、ところせましと飾られています。それにしても、そのつくりの精巧なこと! 小さいのに、ものすごくリアルで、ずっと眺めていても飽きません。その情熱と技術力の高さに、ただただ、ため息が出るばかりです。

うーん、すごい。この作品たちを見るだけでも、ラジオ会館を訪れる価値はありますよ! というわけで、
秋葉原のぬし的存在、
「ラジオ会館」の歴史を学び、
4Fにショップがある「海洋堂」のすごさについて調べました。

「大げさにいえば、
ニューヨークにおけるロックフェラーセンタービルのような
建物としての秋葉原の象徴的な存在」
(森川嘉一郎さん)

というラジオ会館には、
非常にディープなお店がたくさん入っています。

まだ行ったことがない人にとっても、
オススメのスポットですよ。

秋葉原の街やお店、
ゲーム・マンガ・アニメなどのアキバカルチャーについて、
「これってなに?」「どういうことなの」
というギモンなどがありましたら、
どんどんお便りくださいね!

ワタクシ堅田が取材・調査して、
皆様のフシギ・ギモンを解決いたしますよ!

そのほかにも、
あなたのアキバ巡回コースや、
オススメのスポットなども教えていただけるとうれしいです!

関連キーワード

注目記事ピックアップ

編集部ピックアップPR

ブレイクフォト