男を磨くカルチャー入門

第12回 相撲って国技じゃなかったの?

2009.06.25 THU

男を磨くカルチャー入門

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まさか私の投稿が載るとは、驚きました。
オペラの記事(第3回)を読み返して思ったんですが、歌や芝居、衣装など、
舞台にあるものが全て楽しめるという意味なら、
歌舞伎やミュージカルも総合芸術になるんでしょうか?
歌舞伎やオペラが古典的総合芸術で、
ミュージカルが現代総合芸術、みたいなものなんでしょうかね?
余談ですが、今、歌舞伎にハマっています。
坂東玉三郎さんの女形は、女である私が恥ずかしくなるくらい美しくて、たまげました!
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南天さん(長崎県/21歳/女性)

昔の記事まで読んでくださるなんて、南天さん、ありがとうございます!
母が歌舞伎好きなので、私も何度か観たことがありますよ。
たしかに女形の役者さんの所作は美しくて、学ぶところも多いですよね。

さてさて、続いて最終回の記事についてですが、
ラストを飾るにふさわしいカルチャーについて検討を重ねた結果、
今回はジャパンカルチャーを背負って立つ相撲を取り上げることにしました。
南天さん、ごめんなさい!!

相撲といえば、海外でも舞妓さんや富士山、侍と並ぶほど
メジャーなジャパンカルチャーの象徴。
日本人にとっても伝統的なスポーツとしておなじみです。
でも、生で取組を観たことがある人となると、結構少ないのでは?

前編では、そんな相撲の歴史をおさらい。
後編では、国技館の楽しみ方も紹介しちゃいます。
直近の本場所は、愛知県で行われる七月場所ですが、
これを読めば9月に国技館で行われる九月場所に
行きたくなるかもしれませんよ。

最後の最後まで、どうぞお付き合いくださいませ。
「大相撲歴代横綱一覧」 江戸時代と同じ手法で力士の錦絵(浮世絵)を描く木下大門さんの作品。寛永元年(1624年)に横綱に昇進したとされる、初代・明石志賀之助から、第69代・白鵬までの全横綱勢揃いです。皆さんがリアルタイムで知っている横綱は、第60代あたりからでしょうか 画像提供/木下大門

そもそも日本に国技はない!?ジャパンカルチャーの象徴“相撲”



豪快なぶつかり合いで観客を魅了する相撲。富士山や舞妓と並ぶ、日本の代名詞的存在です。国技でもあるわけだし、日本人として一度はちゃんと生で観てみたい! と思いきや。

「相撲は日本の国技とは決まっていません」

と、日本相撲協会の方のお言葉。えっ!? 国技じゃないんですか? じゃあ、日本の国技って一体? 『相撲の歴史』などの著書を持ち、現在も相撲部の部長として学生を指導している、東京大学大学院の新田一郎先生に詳しく教えてもらいました。

「日本には公式な国技の定義がないんです。だから相撲は国技じゃないというより、日本には公式な国技がないというのが正解です」

それで相撲協会も国技とは決まっていないという答えだったのね。納得! では、なぜ「相撲=国技」という印象が根づいたの?

「ちょうど100年前に完成した常設相撲場を、大相撲が自ら国技館と命名したことも、理由のひとつ。ただ、相撲を国技とみなす土壌は国技館と命名する以前にもあったのです。相撲はどんな時代にも日本というナショナリティを背負い、日本文化の要素を身にまとって興行を飾ってきました。現在、大相撲には外国人力士が増えていますが、彼らは着物を着てまげを結い、土俵の外でも日本の力士らしくすることを求められますよね。大相撲は多国籍化しても、国際化はしていないのです。良くも悪くも日本を色濃くまとっている点が、国技とみなされる一番の理由でしょう」

なぜ大相撲は、わざわざ日本らしさを演出するの?

「そもそも相撲は、天皇や貴族を観客とする技芸として、1300年ほど前に始まりました。その後、神仏や祭礼に集う人々のための技芸として様式を整え、鎌倉時代には諸国をめぐる職業的な相撲集団も登場。江戸時代中期には幕府の認可を得て定期的な興行の体制を整え、これが現代の大相撲の興行内容に続いています。つまり、始めに観客ありきの技芸だったということ。大相撲は日本文化を演出し、国技を称することで他のスポーツとの差別化をはかり、観客を確保する必要があったのです」

なるほど。大相撲は、国技の看板に恥じない観客が求める日本文化を象徴しているのね。スポーツとしてはもちろん、ジャパンカルチャーの象徴として、日本らしさを堪能できるのも相撲の魅力なのかも。
『カワイイ大相撲!―女性のためのおすもうの本』(メディアファクトリー)。どす恋花子さんによる、初心者向け相撲本。イケメン力士密着インタビューのほか、お相撲さんナイショ話、両国マップなど、大相撲観戦前に読めば楽しさ倍増間違いなし!

おひとり様でも楽しめる大相撲観戦のススメ



ダラダラと自宅で過ごしていた日曜日の昼下がり。

なんとなくテレビを観ていると、相撲中継開始。力士の名前や技は知らずとも、文字通り肉迫した取組に魅せられて、つい見入っちゃったなんて経験はありませんか? でも、大相撲を生で観たことがある人となると、グンと少なくなりそうです。そういえば、チケットが高いと聞いたことがあるような?

「マス席は、4人ひと組が基本で3万6800円から。たとえひとりで見ても金額は同じなので、たしかに高いかもしれません。でも、イス席なら3600円から。当日8時から販売される自由席なら、2100円と格安です。また、大相撲界独特のチケット販売組織お茶屋さんを通さなくても、今はコンビニなどで買えるので入手も簡単。国技館は大相撲観戦用に作られているので、どんなに後ろの席でも十分楽しめますよ」

こう教えてくれたのは、『カワイイ大相撲!』を著書に持ち、各誌で相撲記事を書く、ライターのどす恋花子さん。やっぱり、初心者が大相撲観戦するには予習が必要?

「基本的に相撲のルールは、土俵から出たり、手をついたりした方が負けというシンプルなもの。どんなスポーツよりルールは簡単です。予習するとすれば、力士の得意技。例えば、朝青龍なら左まわしをとったら無敵。高見盛が右の上手をとったら勝つ、など有名力士の得意技だけでも知っておけば、会場と一緒に盛り上がれるはず。大相撲観戦は飲食OKなので、お酒を飲みながら観戦できるという楽しみも。他のスポーツ観戦と比べても、かなり自由なスタイルだと思いますよ」

テレビで見たあの会場の雰囲気は、そんな自由な観戦スタイルによるものだったのね。ところで、花子さんオススメの国技館の過ごし方は?

「開場と同時に入り、幕下以下の若手の取組をかぶりつき(土俵に近い、いい席のこと)で観戦。午前中に来る人は少ないので、どの席に座っても大丈夫ですよ。お昼は外に出て両国周辺でちゃんこランチ。再入場したら、館内の相撲博物館(無料)を見学。それから、自分で携帯ラジオを持っていくか、館内のブースでラジオを借りましょう。場所中は毎日どすこいFMというラジオ番組が生放送されているんですが、若手の親方衆による裏話が聞けて、本当に面白い! 売店で場所中にしか買えない名物の焼き鳥を買ったら、15時ごろから始まる関取(十両・幕内)の取組に向けて席に戻り、ちょっと居酒屋気分で飲んでもいいかも。でも、あまり酔っ払わないように(笑)」

それは一日楽しめそう! おひとり様といわず、デートプランとしても一考の価値アリです。ただし、同じく(?)国技館名物な感のある座布団投げは実はルール違反だそう。飲んで気持ちがよくなっても、土俵に物を投げ入れたりすることのないよう、ご注意を! スポーツでありカルチャーでもある相撲レポート、いかがでしたか?

取材が五月場所終了後だったため、実際に行くことはできませんでしたが、
思った以上に自由な大相撲観戦に興味津津!
ぜひ九月場所は、チケットを押さえて観に行こうと思っています。
一人で。クスン。

「男を磨くカルチャー入門」も、今回でおしまいです。
毎回未知のカルチャーをレポートし続けたおかげで、
私自身はかなり文化的に潤った半年間でした。
取材後、個人的に観に行ったり、知識を深めたカルチャーもあるんですよ。

レポートをきっかけに、皆さんの興味の幅が少しでも広がれば幸せです。
半年間、本当にありがとうございました!

さて次回からは、新レポートにスライド!
「めくるめく女子生態学」というタイトルで、
女子の中に根づく不思議なカルチャーをレポートしていきます。
引き続き、ご愛顧のほどよろしくお願いしますね!

ここで、男子の皆さんにお願いです。
女子特有のカルチャーについての、疑問・質問・ご意見をお寄せください。
次回から始まる新レポートの糧にさせていただきます。

「女子はどうしてこんな行動をするの?」
「女子はカワイイと言うけど、○○の良さが皆目わからない」
などなど、皆さまの生の声をお待ちしています。

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