やっぱり☆ネコが好き!

第1回 猫の楽園、「猫島」に行ってみたい!

2009.06.25 THU

やっぱり☆ネコが好き!


撮影/水野聖二 猫島の中心部にあるという「猫神社」。島の人はもちろん、日本各地から猫好きや飼い猫の供養のための参拝客がやってくるのだとか

ノラ猫と仲良く暮らせる社会は実現できないの?



最近、めっきりノラ猫の姿を見かけなくなったと思いませんか?

ひと昔前までは、家の軒先や、通学路の脇、とにかく街のいたるところでの~んびり日向ぼっこをしているノラ猫をよく見かけたのになあ。

それもそのはず。日本では国をあげてのノラ猫の管理が進んでいて、。平成19年の1年間でおよそ20万匹の猫(ノラ猫、保健所に引き取られた猫)が殺処分されているんです(環境省調べ)。

公衆衛生の観点などから仕方のない部分もあると思うのですが、無類の猫好きの私にとっては、少し悲しい現実です。21世紀には、ノラ猫と人間が仲良く暮らせる方法はもう残されていないのでしょうか?

なんてことを考えながら猫に関する書物を読み漁っていると、面白い記事を発見しました。太平洋に浮かぶ離島に、「猫の楽園」と呼ばれる島があるそうです。

それが宮城県石巻市から船で1時間ほどの場所にある「田代島」。

宮城県の石巻港から約22km、周囲約11.5km、人口約100人というこぢんまりした島なのですが、この小さな島では島民とほぼ同数の100匹を超す猫が、人間と仲睦まじく暮らしているというのです。
撮影/水野聖二 (画像左)島には猫をモチーフにしたロッジもあるとか。これはマンガ家のちばてつやさんがデザインした猫ロッジ。 (画像右)島内ではいたるところで、こんなカワイイ猫たちを見かけることができるそう
もしかしたらこの島に、ノラ猫と人間の関係を見直すヒントがあるかもしれない! さっそく島の区長さんにお話を伺ってみました。なぜ田代島にはたくさんの猫がいるんですか?

「島では昔から各家庭で蚕を作っていたのですが、ネズミに蚕が食べられないよう猫を飼い始めたそうです。今のように天気予報のなかった時代ですから、漁師たちは猫の動作を観察して気象の判断をしたりしていて、猫をとても大切にしていました」

でも、蚕の生産がされなくなった今でも、島民の方々がノラ猫を大切にしているのはどうしてなんでしょう?

「島にはこんな言い伝えが残っています。ある日、1匹の猫に落石が当たって死んでしまいました。それを哀れんだ漁師が猫を丁重に葬ったそうです。それからというもの島では大きな事故もなく、大漁が続きました。それ以後、大漁と安全、開運の神様として猫が崇拝されるようになったそうです。今でも島には猫神社が残っていて、島の人々は変わらず猫を大切にしているんです」

昔の言い伝えを今に伝えて、猫を大切にし続けているなんて、すてきな島ですね。

大都会と島で同じことができるとは思わないけれど、動物を敬うという気持ちは、時代や場所が変わっても忘れてはいけないのだと、「猫の島」に教えてもらったような気がします。

でも、一度でいいから猫神様を拝んでみたい~!!
撮影/水野聖二 集落に住んでいる猫たちは、なじみの家でごはんをもらう。この家では、おばあちゃんが戸口を2回ノックするのがごはんの合図

「猫たちの楽園」は「人間たちの楽園」でもあった!?



無類の猫好きが高じて、猫ライターとして活躍(?)しているライター・コバヤシです。先日、猫関連の資料を調べていたとき、猫マニアの間で、日本に唯一残された「猫の楽園」と呼ばれている島があることを知り、興味津々!

これはもう、行くしかない! 猫ライターの名にかけて! というわけで、仙台から私鉄に揺られること1時間。その後、小さな船に乗り換えてまた1時間。太平洋に浮かぶ離島、田代島(通称:猫島)までやってまいりました。

田代島は宮城県の石巻港から約22km、周囲約11.5km、人口約100人というこぢんまりした島。この小さな島に、なんと島民とほぼ同数の100匹を超す猫が暮らしているというのです。

高鳴る胸を抑えつつ、港に降り立つと、船の到着を待ち構えていたように、3匹の黒猫がお出迎え。

港から民宿までてくてく歩いていると、1軒の家の前に20匹を超える猫軍団がたむろしている現場に遭遇しました。これが世に言う「猫の集会」か! 圧巻の風景を眺めていると、買い物帰りのおばあちゃんに呼び止められました。

「この子たちは、この集落の猫でね~。この和子さんの家で毎朝ごはんをもらっているんだよ。港には港の猫がおって、その子たちは漁師さんからおこぼれをもらうんよ」(島のおばあちゃん談)

どうやら島には、陸の猫と海の猫がいて、それぞれ独自のライフスタイルを持って暮らしているそうです。

翌朝の早朝4時、海の猫たちを見に港へ向かうと、漁船の帰りを今か今かと待ち受けている猫たちがずらり。水揚げが始まると、それぞれお目当ての漁師さんの横に礼儀正しく座って、上目遣い魚をおねだりしているではないですか! カ、カワイイ!
撮影/水野聖二 朝の港に集う猫は、毎朝新鮮な魚にありつける、いわば“日本一ぜいたくな猫”。みんな漁師さんにべったり張り付いて、上目遣いでおすそわけをねだる
「こいつはね~、毎朝船が戻ってくる時間には決まってココで待ってるんだ。絶対他の漁師のとこにはいかねえよ。毎朝新鮮な小魚を分けてやってるから、毛ヅヤもいいだろ?」(島の漁師さん談)

そういえばどの漁師さんにも、お付き(!?)の猫たちがいます。なかには、カレイやヒラメなど高級魚をくわえて走り去るちゃっかり者の姿も。でも、こんなに猫がいて、仕事の邪魔にならないんですか?

「邪魔なんかじゃね~よ。島の猫はず~っとここで暮らしてきた。俺んとこにきているコイツなんて、もう4代目よ。朝、漁から戻ってコイツがいないと、なんだか心配になるよ」(島の漁師さん談)

何をしてくれるわけでもないけど、いないとなんだか寂しい。島の人々にとって猫は、そんなビミョーな距離感を持った存在みたいです。でも、なんだかちょっとうらやましいのは、私だけ?

お互いに完全に依存しあうのではなく、ゆるやかな関係を保って暮らす。それは気持ちのいい人間関係にも通じることですよね。

「猫たちの楽園」は、おだやかで、心優しい人間たちが暮らす、「人間の楽園」でもあるのかもしれません。 以前からずっと行ってみたかった「猫島」。
思っていたとおり、ゆったりとした時間が流れる、優しい島でした。

島に暮らす島猫たちは、飼い主のいない「地域猫」。
島の人全員で、なんとなく世話をしています。

そんなことができるのは、島に暮らす人々が猫好きであることはもちろん、
昔ながらの地域ぐるみの付き合いが残っているから。
人間も猫もひっくるめて、同じ土地に住む仲間を大切にして、
助け合って暮らしていこうといライフスタイルが、
「猫たちの楽園」を現代に伝えているんです。

もしかしたら、都会の街でノラ猫が少なくなってしまったのは、
人間関係の希薄さの表れなのかもしれません。

温かいご近所付き合いが残る猫の島の暮らしを見て、
そんなことを思いました。

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