あの時の話、聞かせてください!

第10回 元・光GENJI 諸星和己と対面!

2009.06.24 WED

あの時の話、聞かせてください!


写真/曽木幹太 光GENJI時代、バレンタインには4トントラック38台分のチョコをもらっていた話はあまりにも有名。「だって、アイドルがモテなくてどうするんですか!」

すさまじすぎるエピソード満載光GENJIだったあのころ



80年代後半、時代を動かすスーパーアイドルグループが誕生した。光GENJIと名づけられたそのグループは女子のハートを直撃。単なるアイドルの枠を超え、社会現象にまでなった。とくに、明るく天真爛漫なキャラクターで、人気を集めていたのが諸星和己さんだ。光GENJIとしてのデビューから22年たった今も、様々な方面で活躍。6月下旬から7月上旬にかけて、ミュージカル『EVIL DEAD THE MUSICAL~死霊のはらわた~』の主演も控えている。その練習中の稽古場で、諸星さんの素顔に迫った。

「もともと歌とか踊りとか、あまり芸能界に興味がなかったんですよ。なんか流れでそうなっただけで。ローラースケートを履けって言われた時も、なんで履かなきゃいけないんだよって思った。人に言われると、やりたくなくなるタイプなんですよ。嫌なクソガキですよねえ(笑)。まあ、ローラースケートは、何も考えずに楽しめるところが好きで、最終的に納得してやりましたけど。ただ、ケガは絶えなかったですね。デビューして今まで骨折を15回やってますから。一番最悪だったのは、まず右足を骨折して、その1週間後にコンサートがあったんですけど、そのオープニングが舞台の下からジャンプして出るっていう演出で、着地した瞬間、左足をグキッと(笑)。オープニングで両足骨折状態。これでスケート履かなくてすむ、ラッキー!と思ったら、次からは車イスで出ることになって。メンバーの内海が調子に乗って僕の車イスを引きずり回したんですよ。そしたら、なぜか会場から下着が飛んできて(笑)。内海のローラースケートに下着が巻きついちゃって転倒。そのままサ-ッと車椅子が壁にぶつかって尾てい骨骨折ですよ」

なんともすさまじいエピソードだが、もちろん人気の面でも驚がくする話には事欠かない。労働基準法の解釈まで変えさせたというから、その人気ぶりがうかがえる。芸能人で表現者とみなされたものは労働基準法の適用外という結論が国会で出されたのだ(現在は自主規制されている)。
写真/曽木幹太 いまだにシェイプされた肉体を保っているのはさすが。日本ダイエットアカデミー協会、広報宣伝担当取締役社長の肩書きは伊達じゃない!
「たしか、基本的に15歳未満は、夜8時以降テレビに生出演しちゃいけないってことになってたんだよね。それを僕らのグループがなくした(笑)。総理大臣がサインをくれって言ってきたこともありましたよ、竹下さんが。その孫がDAIGOだっつう話なんだけど(笑)。こないだ電話で話しましたよ。かわいいやつですね、礼儀正しいし。今、こうやって偉そうにしゃべってますけど、当時はそれほど天狗でもなかったと思いますよ。鼻がのびても50メートルくらいかな(笑)。多少はね、売れて変わるのは当然でしょ。変わらない方がしたたかというか、裏があるんじゃねーかって思っちゃいますよ。でも、売れてもあんまりピンとこなかったですね。先輩たちが周りにいたんで。みんなスターなわけじゃないですか。裏を返せば、売れて当たり前だろってところがあったんですよ」

売れれば売れるほど、多忙を極めるはず。しかし、忙しくてつらいと思ったことはなかったという。

「当時はストレスなんて言葉はなかったんですよ、僕の辞書には。そりゃあ、だるいよ!筋肉痛だよ!とかはありましたけど、それほど神経も使ってなかったし、仕事というよりも学校に行ってるような感じでしたから、全然つらくなかった。タモリの校長先生に会いに行こうとか、北野のおじさんに会いに行こうみたいな(笑)。まだ思春期だったし、寝ないでも遊びたいくらいで。移動中になんとか睡眠をとってね。当時は、カメラマンの人たちも追っかけてきたんで、そう簡単には遊ばせてくれなかったですけど、その合間をぬって遊ぶのが楽しいんですよ。鬼ごっこみたいで(笑)」

一般の人から見ればハードコアな生活かもしれないが、諸星さんにとってはそれが日常だった。そんな日々が7年ほど続いたころ、光GENJIは解散する。
写真/曽木幹太 「昨日より今日を大事にしたい。今をどう楽しむか、それが重要なんですよ!」とポジティブすぎるメッセージを送ってくれた諸星さん。しかと受け止めました!

多岐にわたるソロ活動まだ自分探しは終わってない



社会現象にまでなった光GENJI。だが、始まりがあるものには終わりもある。光GENJI SUPER 5としての活動を経て、95年にグループは解散。諸星さんは、ソロ活動をスタートする。

「環境を変えたかったというのもあったんでしょうけど、多方面に手を出しましたねえ。俳優業はもちろん、自分で音楽レーベルも作ったし。あとは、2001年からニューヨークに行ったのは大きかったです。ニューヨ-カーなんて言ってますけど、田舎モンの集まりですよ。僕も静岡の山奥の育ちですけどね。宗教も文化も考え方もバラバラで、自己主張がハンパじゃない。そんななかで、自分はこうだってアピールしなくちゃいけない。自分の個性を持って挑戦していかなきゃなと。もう10年弱はニューヨークにいますけど、そこで鍛えられたっていうのはありますね」

実際、諸星さんの活動は多岐にわたる。ジュエリーブランドのデザインから、アパレルメーカーのクリエイティブ・アドバイザー、レストランのプロデュース、テレビ・ラジオの出演、そして歌手としての活動。

「僕には、いろんな可能性を秘めた素質がありますから。オーラが違うでしょ(笑)。それぐらい言わないと、やってらんないっすね。自分で自分を盛り上げていかないと。自分探しは終わってないですね。ただ、これまでやってきて、80%くらいは自分はこうだっていうのは見えてるんです。でも、100%まで行き着きたくはない。完成しちゃうとつまんないじゃないですか。あえて戻ってみたりもする。僕の音楽もそうですね。昔の光GENJIっぽい曲を作ったりとか、つんくにプロデュ-スしてもらったりとか。自分を型にはめたくないんですよ」
写真/曽木幹太 諸星さんのパーソナリティは幼少時代に形成されたという。「家が鉄砲水で流されたこともありましたから。そういう環境に住んでいたので、何があっても動じない性格になったんじゃないですか」
型にはまらないといえば、今度諸星さんが主演するミュージカル『EVIL DEAD THE MUSICAL~死霊のはらわた~』もかなりの異色作。サム・ライミ監督の古典ゾンビ映画が、どのようにミュージカル化されるのか。まったく予測不能だ。

「見ちゃダメだよ、こんなミュージカル(笑)。キャッチフレーズがZ級コメディミュージカルだって。A級とかB級でもない。一番下、最悪ってことですよ。って言うと、どんなミュージカルなんだって思うでしょ(笑)。これは面白いですよ、なんて言ったって嘘くさいじゃないですか。このチラシを見てくださいよ。みんなゾンビの格好して、バカですよ(笑)。とくに、このスコットって役がバカです(スコット役の上山竜司さんを見ながら)。普段からバカあ、いたの(笑)。僕もまだこれからセリフを覚えるところってくらいで、あとはみなさん素晴らしい役者さんたちです(笑)。理屈抜きで楽しんでもらえたらいい。ただ、このミュージカルは、今一番日本に求められてることが含まれてると思う。それは、一所懸命バカをやるってことですよ。仕事でも遊びでも、バカって言われるくらいやればいいじゃん! 全然ミュージカルの説明になってないですね(笑)。こう見ろっていう押しつけはしたくないんで。その人なりに感じてもらえればいいです。バカをやる行動力を与えることができたらうれしいですけどね。なんならゾンビになってステージに上がってくださいってぐらいの気持ちですよ。でも、僕が主役だよ(笑)」

光GENJIのころと同じ、人懐っこい表情で諸星さんは笑った。
様々な経験を経ても、天性のスターという印象だけは変わらない。
取材後、なんだかパワーをおすそわけしてもらった気がした。
ミュージカルの内容はまったく教えてくれなかったが(笑)、またパワーをわけてもらいに足を運ぼうと思う。 自分が若かりしころに、空前絶後の人気を誇ったあの諸星さんにお会いするのは、かなり緊張する体験でした。

しかし、さすがに器がでかい。
あっというまにこちらの緊張を解きほぐし、
気がつけば、ずっと笑いっぱなしの取材になりました。

一時代を築いた男は、それだけの人間力があるものだとつくづく痛感。
かーくんは永遠に不滅です!

この企画では、毎回インタビューの感想やご意見を受けつけています。気楽にメールくださいませ。さて次回は、新加勢大周として芸能界デビュー、坂本一生と名前を改めて活動を続けるも引退。のち、様々な職を経験し、再びタレント活動を再開、昨年にはまた改名したドラマチックすぎる人生を送る男、大旗一生さんが登場します! お楽しみに。

ではでは、また!

■諸星和己さんプロフィール
1970年生まれ。静岡県出身。1987年、光GENJIのメンバーとしてデビュー。ローラースケートを履いて、歌い、踊る斬新なスタイルで、爆発的な人気を得る。光GENJI解散後は、歌手、俳優、タレント活動のほか、様々なジャンルで活躍。近年は、マッスルミュージカル 『Voyage』(2008年)、『EVIL DEAD THE MUSICAL~死霊のはらわた~』(2009年)など、ミュージカルの出演が続いている

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