やっぱり☆ネコが好き!

第3回 黒猫が不吉って迷信なの?

2009.07.23 THU

やっぱり☆ネコが好き!

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こんにちは。私の実家では、4年前までネコを1匹飼っていました。

もともとは、ある日フラリと家に現れてそのまま居ついてしまった猫なのですが、
飼っている間にいろいろなことがありました。
弱いくせに近所の野良猫に喧嘩を売って追いかけられて、
耳がちょっと欠けてしまったり。

最期は腎臓を悪くして亡くなってしまったのですが、
どうしても外に出たがって、そのまま帰ってきませんでした。
「家に頭向けて死んでるだろうね」と、家族の中で話しています。
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投稿者:椿さん(佐賀県/26歳/女性)

猫の数だけ、いろいろなストーリーがあるんですね(涙)。

猫は死に際を人には見せないという話もありますが、
きっと、その猫ちゃんは家族の愛情を
しっかりと感じ取っていたと思いますよ。

さて、今回は猫好きの間でも不思議に思っている人が多いであろう
黒猫ちゃんにまつわるお話です。

深夜の帰り道、目の前をササーっと黒猫が横切る。
なんだかゾっとしませんか?

「黒猫が横切ると不吉なことが起こる」という話は聞いたことのある人も多いと思います。
でも、そもそもなんで黒猫って不吉の象徴とされちゃったのでしょう?
猫好きのワタシ的には、黒猫ってけっこうカワイイと思うんですが。

というわけで今回は、黒猫のネガティブなイメージについて
徹底的に考えてみたいと思います!
『魔女の宅急便」角野栄子 作/佐竹美保 画(福音館書店) 日本でもおなじみの魔女と黒猫の組み合わせ。でもヨーロッパと比べてみると、邪悪なイメージよりはメルヘンチックなイメージの方が強いかも…

黒猫は本当に不吉なの?歴史からひもとく黒猫の真実



「黒猫が前を横切ると不吉なことが起こる」。

なぜか昔からよくいわれていることですよね? 確かに夜道でばったり黒猫に出会うと、ちょっと怖いかもしれませんが、よく考えると三毛猫でもトラ猫でも結局同じのような気が。だとしたら、黒猫だけがこんな悪いイメージを植え付けられているのは、ちょっと不公平だと思いませんか?

そもそも、黒猫が「不吉」の象徴とされたのは、中世のヨーロッパで行われていた「魔女狩り」とかかわりがあるといわれているそうです。とある村で「魔女」の疑いがかけられた老婆が黒猫を飼っていたなどなど、黒猫が魔女の使いであるという言い伝えが数多く残っています。

その後、魔女狩りの時代が終わっても、魔女黒猫のイメージだけがなぜか根強く残ってしまったようです。そういえば童話や映画の中では魔女のかたわらには必ずといっていいほど黒猫がいますよね?

でも、魔女黒猫のイメージがここまでヨーロッパ、さらに日本の人々にまで伝播したのは、何か信仰みたいなものが関係しているのでしょうか? 明治学院大学の学院牧師を務めている、北川一明さんに伺いました。

「結論から言うと、黒猫の不吉なイメージとキリスト教の教理とは直接的な関係はありません。中世ヨーロッパで、黒猫が魔女の使いとして邪悪視されていたという話は、あくまでも民間伝承であって、中世ヨーロッパで厚く信仰されていたキリスト教の教義には、黒猫も魔女も全く関係していないのです。もちろん聖書にも登場していません」

中世ヨーロッパの人々の考え方に強い影響力を持っていたキリスト教と関係ないとすると、この黒猫の言い伝えは、どうしてここまで根強く残っているのでしょう?

「キリスト教では、○○は縁起が悪いというゲン担ぎの思想を禁止しています。とはいえ、やはり人間は弱い部分を持った存在です。何かにゲンを担いだり、不吉な出来事を何かのせいにしたりするのは、生きていくうえで仕方のないことだったのかもしれません。そういう意味で、魔女や黒猫の俗信は、中世ヨーロッパから現代まで、民間レベルで長く信じられてきたのかもしれませんね」

黒猫や魔女の言い伝えは、それ自体の良し悪しはともかく、人間の力ではどうすることもできない不運や不幸を消化するためのツールだったのかもしれません。

そう思うと、現代を生きる私たちだって、何かにつけて嫌なことを誰かや何かのせいにしたくなっちゃいますものね。黒猫は、時代も国も超えて、長い間人間の嫌なことを引き受け続けてくれているのかもしれません。

今夜もしあなたの前を黒猫が横切ったら、そっと「ありがとう」と言ってあげてください。
(画像左)京都・檀王法林寺の黒い招き猫。夜の神様の使いとあって、夜に起こる盗難や火災などの災いから守ってくださるそうです。なんと携帯ストラップまであります! (画像右)おなじみ「ヤマト運輸」のロゴマークも、かわいい黒猫ちゃん。これを見て不吉と感じる人は、確かに少ないですよね…

日本の黒猫は世界一幸せ?福を招く黒猫の正体



「黒猫が横切ると不吉なことが起こる」

ヨーロッパをはじめ、日本でも広く知られている迷信ですよね。

古くから、ヨーロッパでは黒猫は魔女の使いとして邪悪なイメージを持たれてきたのですが、日本では果たしてどのような存在だったのでしょうか? やはりネガティブなイメージを持たれてきたのでしょうか? 猫の歴史に詳しい「ねこの博物館」館長の今泉忠明さんに伺いました。

「文献として猫の描写が克明に残っているものとして、平安時代の『宇多天皇日記」があります。その中で宇多天皇は、中国から『唐猫』を献上され、たいそうかわいがったとあります。そして、その猫について『漆黒の墨のよう』と表現しています。つまり天皇のペットは黒猫だったということです」

なんと、黒猫は天皇にまでかわいがられる存在だったということですね。まだそのころは西洋との交流がない時代ですから、西洋的なイメージが広がっていないのは、当然かもしれませんね。

では、日本に外国文化が入ってきてからはどうなんでしょう? 黒猫を神様の使いとして祀っている、京都の檀王法林寺の住職、信ヶ原雅文さんに伺いました。

「私どもの寺では、主夜神(しゅやじん)尊という夜を守る神様を祀っております。江戸中期からは、夜の闇にまぎれて自由に歩く黒猫を夜の神様の使いとして信じるようになりました。その後、昭和に入ってからは黒い招き猫の像が民衆の間で広く受け入れられるようになりました。現在でも毎年招福猫・主夜神大祭を行い、参拝者には黒招き猫像を授けています」

この檀王法林寺以外にも、江戸時代には黒猫を病床に置くと病気が治るといった、プラスイメージの強い黒猫の民間伝承も数多く広まったそうです。そう考えると、黒猫に関して日本は外国とは違う独自の価値観を持っていたということになります。

ではでは、現代ではどうなんでしょう? 現代の黒猫といえば、やっぱりココしかないでしょう。黒猫マークでおなじみの、クロネコヤマト、「ヤマト運輸」にも聞いちゃいました! 黒猫のマークは縁起が悪いと思わなかったんですか?

「もともと弊社がロゴマークに猫を選んだのは、親猫が子猫を大切にくわえて運ぶように、お客様のお荷物を丁寧に運びたい、という気持ちからです。猫の色に関しては、黄色のベースに黒猫が目立つ、デザインとして美しいという理由が挙げられます。黒猫が不吉というイメージは、特になかったみたいですね」(ヤマト運輸広報部)

いろいろ調べてみた結果、日本では歴史的事実としては「黒猫=不吉」というイメージはそこまで定着しておらず、場合によってはポジティブなイメージを持たれることもあったようですね。黒猫の悪いイメージは、あくまでも西洋の思想からなんとなく刷り込まれていったというくらいのものなのかもしれません。

ならばいっそ、今後は「黒猫=ハッピー」という迷信を作ってみようかな。 昔から不吉なイメージを持たれがちだった黒猫。

漆黒の美しい毛並み、金色に輝く瞳、そして夜にまぎれて歩く姿。
そんな神秘的な姿に、人々は恐れを感じたり、
神々しいものを感じたりしたのかもしれません。
別のとらえ方をすれば、黒猫はそれだけ人々の興味を引く、
特別な猫だったんだと、今回改めて思いました。

今後も猫にまつわる不思議や疑問を調査していきますよ!
皆さんからの投稿も引き続きお待ちしています!

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